吉良ヒロト(1) ページ16
side貴方
「「「メリークリスマース‼」」」
「……」
お日さま園でのクリスマスパーティー、なんだけど…
チラ、と一つだけ空いた席を見て息をつく。
近くにあったサンタ帽を手に取り食堂から抜け出した私は、こういう時よく一人でいるあの場所へと向かった。
「ヒーロト」
「…何だお前か。変なもん乗せんな」
「髭も付けたげよっか？」
「いらねぇよバーカ」
ぺし、と払いのけられたサンタ帽。
もう、と文句を言いながら自分の手に戻し彼の隣に腰掛ける。
「向こう行けよ」
「ヒロトも行こうよ」
「行かねぇよくだらねぇ」
「くだらなくないよご飯は生きるのに大事」
「お前食う事しか目的ねぇじゃねぇか！」
「パーティーは何を楽しんでもいいんだよ」
だから行こ？と顔を覗き込めばふい、と逸らされた。
強情なんだから。
頑なに動かない彼に膨れているとタツヤや晴矢達が私を呼ぶ声が聞こえる。
「…呼ばれてんぞ」
「ヒロトが行かないなら私も行かないもん」
「…っ何でそこまでして俺を連れて行きてぇんだよ⁉俺が行ってもどうせ空気悪くなるだ(ﾊﾞﾁﾝｯ 〜〜ってぇ…‼」
思いっきりデコピンしてやった。
凄い睨んでくるけど私も同じように睨み返す。
そんなの誰も思ってない。
ヒロトが壁を作るから皆も…。
すくっと立ち上がった私は彼の手を引っ張りタツヤ達に声かけた。
「ここにいるよー！ヒロトも連れてすぐ戻るから待っててー！」
「はぁ⁉行くなんて一言も…っ「分かった！早く来いよヒロトー！」…⁉」
「遅ェとお前の好きな肉俺が全部食っちまうかんなー！」
「晴矢デブるよー！」
「Aうっせぇ‼」
ね？とヒロトの方に振り返れば罰が悪そうに頭をかいていた。
行くよ、ともう一度手を引けば「仕方ねぇな」なんて言いながらも自分の足で歩いて来てくれる。
食堂の扉を開くと皆笑顔…の後何故か驚いたように固まってしまった。
「どしたの皆」
「いや、えっと…ご、ごめんそういう事だったんだって」
「あーあ、全くだぜ。折角二人きりだったのになぁ？」
「へ？…っ⁉」
いつの間にか恋人繋ぎになっていた手。
皆に見せびらかすように掲げながら堂々と中に入る彼は先程まであんなに渋っていたとは思えない。
仕返しだと言わんばかりにニヤつくヒロトの額に第二のデコピンを準備した私だった____
＿fin＿
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みかん(プロフ) - うわああさすがかっぱの子さん！！ワンピース小説大好きです...！！是非またワンピースの新作書いてください！待っていますー！ (2019年1月5日 21時) (
レス) id: 3dab1a0015 (このIDを非表示/違反報告)
rilu - あっ…神だ。（確信） (2018年12月31日 14時) (レス) id: d32ce14729 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かっぱの子
| 作成日時：2018年12月30日 15時
