アニメ『日常』でボカロ曲！！

みお＝モザイクロール　＜美花さんリク!!＞ ページ28

「これ以上、私に構わないでくれ」

　笹原先輩の言葉が、私に突き刺さる。

　自分の中のどす黒い感情が、ぶすぶすと煮え立ってくる。

「あ……笹原せんぱ……」

「もう一度言う。私にこれ以上近づくな」

　―――そんな。

　笹原先輩が段々遠ざかっていく。私はそれを見るのさえたえられなくなって、俯いた。

　―――そんな。

　私は笹原先輩を精一杯愛しているのに、なんで笹原先輩は――――

「ううん……私は信じるよ。きっとこれは……笹原先輩なりの愛情なんだ。そうだよ。きっと

これは……」

　自分にそう言い聞かせた。そうじゃないと、自分の中の「黒」い感情が私を壊してしまい

そうだったから。

　―――それでも好きとか。

　ほら、始まった。私の中の「黒」が騒ぎ立てる。嘲笑の言葉を私に浴びせかけるのだ。

　―――そんなだから飽きられるんだよ。

「……うっさい。黙って」

　―――いつもそうやっておかしな言葉並べて、自分の心を守って、一体何がしたいの?

「黙れ!!」

　私の声が、誰もいない場所で木霊する。

　気づけば私は走り、家のベッドに包まっていた。

「みお、ご飯冷めちゃうよ?」

　姉ちゃんが部屋に入ってくるが、私は当然のように返した。

「……今日はいい」

「……そう」

　一体私に何があったかを悟ったかんように、姉ちゃんは静かに部屋をあとにした。

「……私だって……私だって……」



「……ここは?」

　気がつけば真っ黒な場所にいた。

　平行線も見えない、果てしなく続く黒。不安にさせる色だ。


「気がついた?」


　私は驚き、声のする方を向いた。―――私だ。私がいる。

「驚くのも無理はないよ。だってここは私達の……「みお」の心の中なんだから」

　言っている意味がわからなかった。

「こんなに黒く染まっちゃって。さてと、私が清掃してあげようかな」

　瞬間、「黒」の体が大きく跳ね上がり、私の体に激痛が襲う。

「え……体が……動かない」

　そのまま見えない地面に倒れこむ。「黒」が近づいてくる音が段々大きくなる。

「愛したっていうの? 笹原先輩のことを、本当に?」

　私に問いかけながら、「黒」は私に馬乗りになり胸倉を掴む。手に持っていた鋏を振り上げる。

「殺したっていいじゃん。あんたが嫌う――――私なんて!!」

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