みさと=桜の季節 ページ17
「いや〜、今年も桜は綺麗だね〜」
「うん、そうだね」
「ふえ〜!毛虫落っこちてきた!」
私はウェボシーとフェッちゃんと一緒に地元でお花見をしている。
ウェボシーの言うとおり綺麗に咲き誇っている。お花見客がたくさんいることにも納得だ。
でも……
「こんなに綺麗な花はないな」
そう言った君の―――笹原の横顔が頭に思い浮かぶ。
数年前―――
あれは笹原と一緒にお花見に来ていた頃だ。
「ふむ。庶民の花見もたまにはいいな」
「庶民って……あんたは庶民中に庶民じゃない!農民って江戸時代とかは、ひっどい扱い受けてたの
習ったんじゃないの!?」
笹原と一緒にいるとつい口調がきつくなってしまう。でも、笹原は感情をまったく動かさない。
勇気を振り絞って切り出した。
「あ、あのさー……来年も、一緒にお花見しない?ここで」
笹原は私の誘いに少し驚いたようだったが、すぐに笑顔になった。なってくれた。
「ああ、ぜひ連れて行ってくれ」
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悲劇はその日の帰りにおこった。歩道を歩いている時、すでに真っ暗だ。
「楽しかったな」
「う、うん……」
そんな会話をしているときに、前方で閃光が瞬いた。急ブレーキ音が耳を刺激する。
「きゃああ!!」
「立花みさとっ!!」
光が途切れた。目の前に立つのは―――笹原だった。
そのまま笹原は吹き飛んでいった。
「笹原っ!!」
「うう……」
私は笹原に駆け寄った。一目見てわかる。重症だ。
「今すぐに救急車を…」
「待て立花みさと……」
携帯を取ってこようと走り出そうとした私の服の裾を、弱々しく引っ張った。
「自分が危ういことぐらい……自分が一番わかっている……」
「だから救急車を……」
「立花みさと。来年も……花見に行きたいと言っていたな。すまない。その誘い、受けられないようだ」
「いいから…!喋らないで……!」
涙が頬を伝い、笹原の頬に落ちた。
その涙を笹原が指で拭う。
「だから……俺のかわりにまた……花見に行ってはくれぬか。立花みさとには…残りの人生を謳歌してほしいのだ」
「……そんなこと…」
「俺にいない道も……咲かせてくれよ……」
笹原の手がぱたりと地に落ちた。
「ああ…あ……あ…」
声も出ずに、私はその場で泣き続けた。
現在―――
「フェッちゃん、そこらへん毛虫出るから危ないって何度言ったらわかるの?」
「ふえー!!」
「あははっ!」
笹原の願通り、私はお花見に来ている。
そして、最後に笹原に伝えたいことがあるのだ。
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,
ありがとう………
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- 恋愛運: ★★★☆☆
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美花 - きゃおりーーーん!私の大好きな「モザイクロール」お願い!w(*´ω`*) (2013年3月11日 20時) (レス) id: 795796011d (このIDを非表示/違反報告)
フィラ@レミ嫁(プロフ) - 香里ー奈さん» そんなの気にしなくていーよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!むしろ私こそごめんよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ! (2013年2月26日 21時) (レス) id: 134380e6b1 (このIDを非表示/違反報告)
香里ー奈 - フィラ@レミ嫁さん» てか、本当に遅くなってゴメンなさぁぁあぁぁぁぁぁああぁぁぁああぁぁい!! マジでごめんよぉぉぉぉっぉぉぉぉぉっぉ!! (2013年2月26日 20時) (レス) id: 830798a2cc (このIDを非表示/違反報告)
フィラ@レミ嫁(プロフ) - ひぎゃぁぁぁぁorzパタッ{萌えすぎてぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ////遅いとか気にしてないよー! (2013年2月18日 20時) (レス) id: 134380e6b1 (このIDを非表示/違反報告)
フィラ@レミ嫁(プロフ) - 香里ー奈さん» うん!いつまでも待ってるっ♪ (2013年1月7日 21時) (レス) id: 134380e6b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:香里ー奈 | 作者ホームページ:http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sawadahana/
作成日時:2012年9月26日 18時