42話 ページ47
結局ドアノブにかかっていた紙袋はそのまま警察に引き渡し、厳重に戸締りをした後で私は家に監視カメラやら隠しカメラ等を部屋のいたるところに装着していく。
(せっかくいいところだと思ったんだけどなぁ…)
実家とお店のちょうど中間位にあって、なおかつ普通のマンションより安全性が高かったからここを選んだのに…最悪引っ越しを考えなきゃいけないのも辛いな。そして、あらかたカメラを付け終わった時、私の携帯が音を鳴らした。
「もしもし」
「A、無事か?」
「父さん…今の所直接的な被害は受けていないよ。だけど、前みたいなことがあったら嫌だからお店を臨時休業して実家に引きこもることにする」
「それがいい。またあの時のように同じ過ちをする方が馬鹿というものさ…実家は好きに使ってもらっていい。何なら信頼できる人と過ごしてみるのも悪くないだろう。私から迎えに来るように連絡入れておいたからもう少ししたら来るはずだ」
「手配ありがとう…じゃ身支度してくる」
ピ、と通話を切り深く溜息をつく。まだストーカー本人が突撃してきたりとかしてないだけマシなんだけど、どこで見ているかわからない…コンピューターは実家にもあるからデータだけ持ち帰ればいいだろう。最悪壊されたとしてもまた新しいのを買えばいいだけの話だ。
数分後、玄関のチャイムが鳴った。警戒を怠らぬようモニターを確認しつつ返事をすれば父が手配してくれたであろう人が立っており、しかも顔見知りの人だったので私は肩を撫でおろした。
「鱗滝さん、こんな遅くにすみません」
「いやはや、こんな時間にこの儂を動かせるのはあやつだけだ…まぁ、前の事があるし仕方ないのは分かるがな。それで、お前さん大丈夫か」
「はい。今の所は…ここに来る時何か違和感とかありませんでしたか?」
「こんなすぐ対応するなんて向こうもさすがに思わんだろうよ」
ほらのったのったと急かす様に促す。もちろん逆らうことなく急いで助手席に座れば鱗滝さんは即座に出発した。実家に着いたのはあれから数時間後の事であり、時計の針は丑の刻を示していた。まぁうちは豪邸だし家の玄関に行くまででも数十分はかかるからね…
「本当にありがとうございました」
「このくらい容易いだ…あまり無理はするなよ。欲しいもんがあるときは遠慮なく言いなさい」
「…なら」
次に言った言葉に鱗滝さんは一瞬ひどく驚いた顔をして、優しく笑った。
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スプラン(プロフ) - 紫陽花さん» コメントありがとうございます!すみません、剣道に関してはど素人で適当につけた設定でした…!詳しく調べて、改めて書き直します!ご指摘ありがとうございます! (2020年2月19日 22時) (レス) id: d11eb7c59d (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花 - すみません、大変面白く読ませてもらっているのですが、一つ気になることが…。9話で主人公さんが「剣道6段」を所持しているとのことですが、まず、剣道6段の昇段試験を受けるには、年齢制限で最低28歳になってないといけません。少し現実的ではないかと… (2019年9月16日 20時) (レス) id: cb5753e0d8 (このIDを非表示/違反報告)
スプラン(プロフ) - ラムさん» 40票目ありがとうございます(`・∀・´)パソコンの部屋にエアコンがなくて手詰まり状態です…もう少しお待ちください(´・ω・`) (2019年7月29日 0時) (レス) id: 07c7378595 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 40票目の星は頂いたぜ!!ほんとにこの作品にはドキドキさせてもらってます!! 更新頑張ってください!!!!!!! (2019年7月26日 13時) (レス) id: a84576bae2 (このIDを非表示/違反報告)
スプラン(プロフ) - 星ポッチが30になってました!アリガトウゴザイマス! (2019年7月12日 23時) (レス) id: d11eb7c59d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スプラン | 作成日時:2019年6月24日 23時