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by銀時
「ごめん...っ
刀を...
無くしちゃった」
...唐突に今日、優衣にそう言われた。
──瞳に涙を溜めて。
銀時「刀って...
あの俺があげたやつ？」
優衣「......っ
ごめん...っ」
俺がそう聞くと涙をついに一粒溢した。
そんな大切にしてくれてたのかとちょっと嬉しく思いながら涙を拭おうと手を伸ばす。
銀時「優衣...
いいよ、別に──」
凛花「優衣さんは折角貰ったのに無くしちゃったんですか？」
凛花の声が一人響く。
声をあげたことに驚いた俺は凛花をハッと見る。
銀時「別に優衣は悪くね──」
凛花「大切にしてるなら無くさないんじゃないんですか？」
優衣の方を見て、責め立てる凛花。
...なんでこの女が口出しすんだよ。
俺がいいっつってんのに。
優衣「...ごめん...ごめん...」
優衣の瞳からぽろぽろ涙が流れる。
もう...我慢なんねぇ。
グイッ...
俺は優衣の手を掴んで抱き寄せる。
すっぽりと抱かれる優衣の背中をさすって涙をなだめるように。
銀時「優衣は悪くねぇ。
優衣にだったら何でも...何回だって買って来てやるから
だから...泣くな」
優衣は俺の腕の中でぐすぐすと涙を流す。
そんな場面を黙って見ていた凛花は服の裾をギュッと握っていた。
凛花「...っ」
凛花の表情に笑みは消え、『なんで』と小さく呟く。
そして凛花の気配が俺の隣から消えて、凛花がどこかに行ったのだとわかった。
あいつ...なんか優衣を恨んでるみてぇだった。
ただ...そう直感的に感じるだけ。
優衣「...ごめんね...銀時っ...」
それに...優衣が涙を流す程、大切にしてくれてた刀を無くしたってぇのも引っ掛かる。
銀時「いいよ...いいから
大切にしてくれてたってだけで嬉しいから」
...けど今は優衣を抱き締めていたい
...
...
...
...
あの時、優衣に聞いておけば良かったと後に後悔することになるなんてこの時の俺はまだ知らない。
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夜顔(プロフ) - 神谷さんさん» 作品を読んで下さりありがとうございます！喜んで下さる方がいると考えると、とても私自身の糧となります！！ (2021年8月9日 5時) (
レス) id: a5b9bd8745 (このIDを非表示/違反報告)
神谷さん - 続編だぁ！(喜びの舞) (2021年5月31日 21時) (レス) id: 9406ab1259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜顔 | 作成日時：2021年5月31日 18時
