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by高杉
稀世「高杉さん、高杉さん」
高杉「...なんだ」
この稀世というやつが周りにいるせいで優衣とこの頃二人きりになれていない。
...腕が立つとは言っていたがどれ程かも知れない奴を易々仲間に入れていいものなのか。
......全然、優衣の笑顔も見れてねェし。
稀世「剣術を教えて頂けませんでしょうか？」
高杉「...なんだ、急に」
稀世「攘夷四天王の高杉さんに教えを乞いたいと思いまして。」
攘夷四天王...か。
少し戦況を変えたからって大層な名前付けられたもんだ。
高杉「...別にいいが」
俺が木刀を持って稀世の前に立つと稀世は嬉しそうに頬を緩ませて刀を構えた。
...優衣だったら。
俺も頬を緩ませて笑うことが出来るのだろうか。
......邪念を持っちゃ、稀世に無礼だな。
高杉「...いくぞ」
木刀と木刀が強くぶつかり合うその音が辺りに響く──。
...
...
...
...
高杉「っ...はぁ...はぁ
疲れたな」
稀世「...っ...はぁ...はぁ...」
俺達は地面に座り、肩で息をしていた。
──稀世と俺は互角の力って所か。
ただ俺に経験値が少しあって体力があっただけだ。
まぁ...確かに腕は立つ...これは認めてやらァ。
高杉「...大丈夫か」
俺は立ち上がって稀世を見る。
高杉「...ほら」
未だに肩で息をしている稀世の前に手を差しだすと稀世は目を見開いて驚いた顔を見せた。
高杉「...稀世、立てるか」
稀世「...っ
あ...はい///」
グイッ
俺は手を掴み、稀世を起き上がらせる。
頬を少し染めた稀世は俺をじっと見て離さない。
...熱中症にでもなっちまったのか？
稀世「...やっぱり高杉さんは強いですね///
私が...
......その瞳を独占出来たらどれどけ良いか」
高杉「...」
どう答えたらいいか分からず立ちすくんでいた俺を見て、稀世は唇をギュッと噛んだ。
高杉「俺は...」
稀世「...っ」
...俺は...
俺の瞳は何十年前のあの時に独占されちまったから。
高杉「...すまねェ
優衣じゃねェと...無理だ」
...
...
...
...この時に気付くべきだった。
後にこれが優衣を苦しませることになると。
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夜顔(プロフ) - 神谷さんさん» 作品を読んで下さりありがとうございます！喜んで下さる方がいると考えると、とても私自身の糧となります！！ (2021年8月9日 5時) (
レス) id: a5b9bd8745 (このIDを非表示/違反報告)
神谷さん - 続編だぁ！(喜びの舞) (2021年5月31日 21時) (レス) id: 9406ab1259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜顔 | 作成日時：2021年5月31日 18時
