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by優衣
千華が仲間に加わって少し経った頃、私の周りに異変が起き始めた。
優衣「...あれ？」
...どんどんと物が無くなっていく。
初めは私が物を無くしたのだろうと探し回った。
けれどそれでは説明がつかない程物が無くなっていく。
最初は遊郭で着けていた簪。
次に着物...筆...靴...袴。
次第に必要な物まで消えていく。
...正直、おかしい。
けれど誰がやったにしても、私が無くしたにせよ証拠がないのだ。
だから声をあげることも出来なくて探し続けるしかなかった。
優衣(うーん...無いなぁ)
結局、それでも見つからないのは変わらないのだが。
...ただ、銀時にもらった刀だけは無くならないようにといつも側に置き続けた。
青色が映える鞘は美しく、銀色に輝いているその刀を見るたびに嬉しくて頑張れる気がしたから。
─『頑張れ』と応援してくれている気がしたから。
今日も刀を脇に差して木刀を振る。
屋敷中全ての部屋を探したがやはり見つからず、諦めて他のことをし始めた私。
(...無くなった物が戻ってくることはあるのだろうか。)
(...このまま刀さえ無くなってしまったら銀時にどう示しをすればいいのだろうか。)
優衣「...っ」
悶々として木刀を振る腕さえ止まってしまった。
(...私らしくないな。)
そう心の中で呟いて木刀を脇に差す。
コツ...コツ...
優衣「大丈夫そう？」
梯子を上って見張り番の仲間に話しかけた。
...意味もなく。
「！...優衣さん」
振り返って驚いた顔をした仲間。
私は仲間の横まで瓦を伝っていき、隣に座った。
「ど...どうしたんですか？」
優衣「いいや...話してみたかっただけ」
「！？
...お...俺と？」
優衣「うん
千華の子達と皆どうやって仲良くなったのかなって」
“千華“...私は未だに馴染めず、銀時達と話していると睨まれたりしていた。
きっと私が何か悪いことをしてしまったのだろう...とこれまで納得しようとしたが引っ掛かるものは引っ掛かる。
「俺は...仲良くなるというか...
あの人達は人当たりがいいので自然と」
優衣「...そっか。
それに皆、美人さんだし...」
結局、私にだけ...か。
(物が無くなるのは“千華“のせいだったりして......)
...なんて疑問を振り払う。
きっと“千華“の皆はそんなことしないって信じてる。
───信じたいから。
「あの...
優衣さんの方が美人...ってヤベッ
口が滑った」
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夜顔(プロフ) - 神谷さんさん» 作品を読んで下さりありがとうございます！喜んで下さる方がいると考えると、とても私自身の糧となります！！ (2021年8月9日 5時) (
レス) id: a5b9bd8745 (このIDを非表示/違反報告)
神谷さん - 続編だぁ！(喜びの舞) (2021年5月31日 21時) (レス) id: 9406ab1259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜顔 | 作成日時：2021年5月31日 18時
