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＿遊郭＿
夜も深けた頃。
笠を深く被った男に頭を下げる男の姿。
月明かりが丸窓から射し込む。
『く…薬は渡しました。
ですのでどうか…どうか…」
「…で？
成果は」
遊女がツツツ…と酒を注ぐ音が響く。
酒を注いだ遊女は「もういい、下がれ」という二本の刀を差した部下の声に従った。
『一本は飲みましたがあまり成果は…』
「紅一点に惚れ薬を飲ませればあの四天王とやらも崩れると思ったのだがな」
お猪口をくるりと回し、月光にかざす。
笠のせいで表情は分からない。
「もう勘づかれたのだろう？
忘れ香はどうした」
『二人に使う分で無くなってしまい…』
頭を下げている男はビクビクとどこか落ち着かない。
男の懐の赤い瓶は空になっていた。
「そうか。」
男は後ろの部下を手招きして酒をくいっと飲んだ。
『ですので命だけは＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿っ！うぐっ』
しゅっ…ガッ
暗闇に倒れる黒い人影。
血を払う音と共に人が倒れる音がする。
暗闇にはキラリと青い刀を輝かせる男と優雅に酒を飲む男だけが佇んでいた。
月明かりが赤い血を際立たせ、二人の笑みを不気味な物へと変える。
「どうやって攘夷四天王を殺そうか」
「…お言葉ですが本当に殺すおつもりで？
今回の惚れ薬もリスクを侵して実行しましたが…
惚れ薬ではどう転んでも死にはいたしません。
それなら私が斬ってしまったほうが＿＿」
月光によって青い刀は銀色へと輝く。
「いいや、
これは上からの命令だ。
”彼奴らを甚振ってから殺せ”
とな」
「ですが…」
「俺に言い考えがある。
その後に貴様の出番だ」
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夜顔(プロフ) - 神谷さんさん» 作品を読んで下さりありがとうございます！喜んで下さる方がいると考えると、とても私自身の糧となります！！ (2021年8月9日 5時) (
レス) id: a5b9bd8745 (このIDを非表示/違反報告)
神谷さん - 続編だぁ！(喜びの舞) (2021年5月31日 21時) (レス) id: 9406ab1259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜顔 | 作成日時：2021年5月31日 18時
