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by桂
あの嫌な予感は... 一体...
俺は遊郭の階段を下ったすぐ側に立ち止まってしまった
銀時や高杉、坂本は俺のその様子に振り返る。
俺でもよく分からなかった。
だが、ただひとつ
この遊郭にいる人々はこのままでは死ぬと。
無駄な殺生は見たくないと。
直感がそう俺に問いかけていた。
桂「早く...早く...遊郭から逃げろ...！」
「「...！？」」
銀時や高杉、坂本を含めた遊郭にいる皆が驚いた顔をして俺のことを見ている。
銀時「おい...ヅラ
何が遊郭にいるってんだよ？」
高杉「まず優衣を──」
桂「...早く...逃げてくれ...！
そこの遊女は楼主を─」
ガシッ
俺が遊女に楼主を頼むよう言ったその瞬間、高杉が俺の胸ぐらを掴んだ。
あまりにも強く、必死に掴む高杉は息を荒げている。
高杉「その嫌な予感ってやつが...っ...当たってたとして...
何で楼主にまで気を回す...っ！
楼主は...あいつは...
死んで当然じゃねェか...！！」
桂「っ...
そうだな。」
高杉が怒って当然だ。
けど...
桂「皆、身の為に逃げてくれ
楼主を助けたい奴がいるなら助けてくれないか」
高杉「はっ...！？
ヅラ、お前俺の話聞いて──」
高杉は俺の胸ぐらをまた強く掴み直した。
坂本「まぁまぁ...
逃げの小太郎とも言われるヅラきに。
何か考えがあるっちゅうことぜよ。」
坂本の言葉に高杉は『チッ』と舌打ちをして俺の胸ぐらから手を離す。
銀時「それに、ヅラの嫌な予感も当たってるみたいだし」
銀時はもうすっかり遊郭の外に出て、クンクンと鼻で匂いを皆に嗅いでみせた。
銀時「...何か焦げくせぇんだけど。」
「「...っ！？」」
遊女や客は目の色を変え、一気に外へと逃げ出した。
焦げくさいということは...
火事か！？
人々は必死に外へと向かいながら誰も楼主を助けようとなどしなかった。
高杉「楼主は...どうすんだ」
銀時「意外と自力で逃げ出してきたりするかもな」
ドタドタっ...
銀時がそう言うと同時に階段をかけ下りる楼主。
あっという間に俺の前を通りすぎた。
坂本「あは、あはは
もう少しとどめ刺しとくべきだったのお(黒笑)」
って...怖。
普段笑っている奴の方が怖いとは誠であったか。
高杉「ほら
俺らも逃げるぞ」
高杉は俺達に背を向けて走り出した。
─本当は俺だって楼主を助けたくはないぞ高杉。
────少し迷いが出ただけだ
そう心の中で呟きながら遊郭を背にして三人の背中だけを見て走り出す。
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夜顔(プロフ) - 神谷さんさん» 作品を読んで下さりありがとうございます！喜んで下さる方がいると考えると、とても私自身の糧となります！！ (2021年8月9日 5時) (
レス) id: a5b9bd8745 (このIDを非表示/違反報告)
神谷さん - 続編だぁ！(喜びの舞) (2021年5月31日 21時) (レス) id: 9406ab1259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜顔 | 作成日時：2021年5月31日 18時
