検索窓
今日:11 hit、昨日:0 hit、合計:236,780 hit

愛を生む人 … 53 ページ8

「四宮っ!宏光はどうなんだっ、?子どもは?」

処置室からでてきた四宮くんに、智久が詰め寄った、父母が亡くなった時ですら冷静な表情を一度も崩さなかった智久が、今は不安と動揺を隠そうともせず四宮くんにぶつけている、それだけ智久の北山君への想いが感じられた、今の智久が本当の事を知ったら…

険しい顔をした四宮くんが、智久の肩をポン…と叩き「痛みは収まった、胎児も今は落ち着いてる…」と告げた

「今は…?今は、ってどういうことだ?何か胎児に異変があるのか?四宮!?」

四宮くんは、僅かに視線を私に向け「どうする」と目線で伝えてきた

「智久、アナタに話があるの、私に着いてきて」
「なんだよ話って、今宏光の傍を離れられるわけないだろ?…四宮、宏光に会わせてくれ、あとカルテを見せて欲しい、オレも産科医として今の状況を知っておきたい」

「山下…」

私の言葉などハナから聞く気はないと言う様に、智久は四宮くんに次々と依頼をする、彼もどうすればいいのか、と判断しかねていた

「智久、カルテより先にアナタが見ておかなければならない物があるのよ、北山くんとあなたの事で…そしてお腹の子にも影響してくることなの」

「カルテより先に…?」
「ええ、そうよ、…雪乃さんと三人で話がしたいの…来なさい…四宮くん、部屋を借りるわね」

「どうぞ、…北山さんはコチラで経過観察を行います、後ほどまたお話します…」
「宏光をお願いします…」

四宮くんに向かって深々と頭を下げる雪乃さんを、智久が怪訝そうに見た

「なんでアナタがそんな事…」
「智久、私が話をするから…」

そして私達は四宮くんが貸してくれた空き部屋に入った

私達のただならぬ雰囲気に、智久の顔がピッと強張る

「姉さん…何があるんだ?」
「智久、コレを見て欲しいの…」
「…?、コレは…DNA鑑定?」

渡したプリントに目を通しながら、智久が聞いてきた

「二つの検体のDNAが同じ…?コレが何か?」
「その検体、一つは北山くんの物 もう一つは…」

声が…出ない…
この先を話してしまったら、もう智久も北山くんも元には戻れない…

終わりの、始まり…まさにその瞬間だった


「姉さん…?」

その一言を喉奥から絞りだそうとした時…

「ユリアさん、私が智久さんに話します、私に話させて下さい…」
隣に座っていた雪乃さんが、震える私の手を握りそっと離した

「何が…あった?」



「智久さん、もう一つの検体は、お父様と私の子…、貴方の弟の臍の緒です」

Gayasakuraです!始まりました!!!《追加の大感謝!》→←愛を生む人 … 52



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (323 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
601人がお気に入り
設定タグ:北山宏光 , 藤ヶ谷太輔 , 藤北
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

GAYASAKURA(プロフ) - まいまいさん» 思います、数ある書き手様の中から見つけて下さり本当にありがとうございます!ご縁を頂けて嬉しいです! (2020年8月5日 21時) (レス) id: a6c9395ed2 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - まいまいさん» こんばんは!連コメありがとうございます!長々と引き伸ばしておりますが、少しでも楽しんで頂けてたら何よりです!えち展開もありますが、サラッと流して頂ければと思います、《I wish》や《雪華》も似たような展開なので、またお時間ある時にお越しいただければと (2020年8月5日 21時) (レス) id: a6c9395ed2 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい(プロフ) - 皆川が怪しくて気になりますが、ついに2人が一緒に暮らせるようになったので大満足です!!そしてニカも。2人が結ばれるところを早く読みたい〜HEATの宏光と太輔が楽しみすぎます!! (2020年8月5日 20時) (レス) id: d8ffbdef31 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» また読み手様の失笑を買いそうです笑笑、ある程度纏まったら触りだけアップしたいと思います!コメ大感謝です! (2019年6月11日 19時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» 移行になりました!6章ほ100作目になるので、ココで家族にしてあげたいんですが、どうかなぁと言うところです、ホントに書きたいのは、家族になってからなんですけどねー笑、引っ張りすぎたなぁと反省しております、次作も考えておりますが、これも長編になりそうで (2019年6月11日 19時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2019年5月5日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。