愛を彷徨う人 … 28 ページ44
「…おはよ…起きた?」
微睡みの中に見える、穏やかな表情…
寝起きの低めの声の響きが心地好くて、じんわりと鼓膜に入ってくる
「ん…おはよ、……たいすけ…」
「クスクス…正確には、もう昼前だけどな…」
「えっっっ!?」
その一言に、意識が一気に覚醒した
ウソ、そんな寝てたのかよっ!?
「ニカが朝メシどうしますかって聞きに来たから、宏光起きるまで待つって言っといた」
「なんだよソレっ、なら起こせばいいだろ!!」
だぁ余計な仕事作っちまうじゃん!!
慌てて起き上がろうとした時、太輔に腕掴まれて制された
「ちょ離せって…っ」
「ヤーダ」
イタズラな表情で、オレを引き寄せようとするから、腕振って抵抗を試みたけど、そのまままたシーツに押し付けられた
コイツ随分楽しそうな顔して、上からオレを見つめてるけど、なんか企み顔してて…
「た、たいすけ!?」
「フフ、大丈夫だって、…なんもしないよ、でも…」
そう言うと、オレの手を引っ張って起こしてくれた
そしてキョトンなオレに「はい!」っとばかりに両手を広げ、期待感に満ちた表情を作る
「え、なに?」
「ハグTIME!」
「ハグTIME?」
なんだソレは?
「そ!オレ昔っからね、家族が出来たら絶対したいと思ってたコトあって…、朝起きたら、まず一番に大好きな人とハグしようって!」
目許を綻ばせて、ホントに嬉しそうに伝えてくれた
「昨日何があっても、朝一番に好きな人ギュッてしたら、きっと今日は素敵な一日になる、そんな日々を積み重ねていけば、人生が幸せで満ちていく気がするんだ、…だから宏光起きるの待ってた…、ギュッてさせて…」
優しい声と同じだけの想いを伝えてくれる、微笑み…
こんな幸せな朝が、オレの生きてく時間にあるんだ、
「おいで宏光、…抱っこさせて…?」
「…バカ…、抱っこじゃねぇし…」
躊躇いもなくその胸に飛び込むと、空気ごと包む様な、フンワリ柔らかなハグをしてくれた
「フフ、ねぇ宏光もオレをハグしてよ…、腕…首に回して欲しいな?」
「…もぉ…」
なんて言いながらも、オレは言われるがまま首に手を回す…、そして肩口に顔を埋めた
寝起きの太輔からは、とてもいい香りがする…、肌の香り…なんも隠してない太輔の、生の肌の香りがした
キュン…て、胸がトキメいた…
本当に本当に、リアルにキュンを感じた
「…太輔…」
「ん?」
「おやすみなさいの時も、こゆの…したい」
「も、オレめっちゃいい夢見れそ…」
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GAYASAKURA(プロフ) - まいまいさん» 思います、数ある書き手様の中から見つけて下さり本当にありがとうございます!ご縁を頂けて嬉しいです! (2020年8月5日 21時) (レス) id: a6c9395ed2 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - まいまいさん» こんばんは!連コメありがとうございます!長々と引き伸ばしておりますが、少しでも楽しんで頂けてたら何よりです!えち展開もありますが、サラッと流して頂ければと思います、《I wish》や《雪華》も似たような展開なので、またお時間ある時にお越しいただければと (2020年8月5日 21時) (レス) id: a6c9395ed2 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい(プロフ) - 皆川が怪しくて気になりますが、ついに2人が一緒に暮らせるようになったので大満足です!!そしてニカも。2人が結ばれるところを早く読みたい〜HEATの宏光と太輔が楽しみすぎます!! (2020年8月5日 20時) (レス) id: d8ffbdef31 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» また読み手様の失笑を買いそうです笑笑、ある程度纏まったら触りだけアップしたいと思います!コメ大感謝です! (2019年6月11日 19時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» 移行になりました!6章ほ100作目になるので、ココで家族にしてあげたいんですが、どうかなぁと言うところです、ホントに書きたいのは、家族になってからなんですけどねー笑、引っ張りすぎたなぁと反省しております、次作も考えておりますが、これも長編になりそうで (2019年6月11日 19時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2019年5月5日 2時