愛を生む人 … 47 ページ2
「まあ智久さん、…え、アナタ……」
トモが来訪を告げると、お手伝いさんだろうか…
エプロンを着けた人が、直ぐにリビングに通してくれた
流石母屋…と言うべきか、トモとの家よりも一段と広く、そして豪華な部屋…
見るもの全てがキラキラと光を放ってるように見えて、気後れで足が竦んだ
「…宏光?」
「なんか、オレ…場違いすぎて…」
「ああ、この家は無駄に贅沢なんだよ、あの女の好みで…」
苦々しい…その気持ちをまんま言葉尻が語ってる
あの女…という言い方が、二人の根深い確執をオレに想像させた
礼儀を欠いてトモに迷惑かけても…と連れてきてもらったけど、返って二人の溝を深くしてしまうんじゃないかと、後悔の思いが湧いてくる
でも…今更だよな…
促されたソファに二人で座ってると、重々しい木製のドアが開いて薄紫色のワンピースを着た女の人が入ってきた
聞いてはいたんだろうけど、オレと目が合うなりひどく驚いた顔をした
「おかえりなさい、急な帰宅で驚いたわ…、その方もご一緒なのね」
「ええ、今日から離れに二人で住むことにしました、一応お知らせだけ…」
「離れに?」
「ええ、この前もお話しましたが、宏光は私の子を身篭ってる、色々考えると本宅の方が都合がいいと私が判断しました、ですが特にアナタにお願いすることはありませんので、余計なお気遣いは無用にお願いします」
隣に座ってるオレの手を取り、まるで見せつけるように膝の上に置く、雪乃さん…という名前だったよな…その人は何とも表現し難い表情で、オレ達…特にオレに視線を向けていた
「あの…急に申し訳ありません…なるべくご迷惑にならないようにしますので、…宜しくお願いします…」
「宏光がそんな事言わなくていい、この本宅は元々オレの家だ、寧ろ部外者はこの人だ」
「トモ…っ!?そんな言い方って…」
「そうですよね、雪乃さん…?」
冷ややかな視線を雪乃さんに向け、トモの口角がクイッと上がる、侮蔑を含んだ視線が真っ直ぐに雪乃さんを捉えていた
雪乃さんは、その視線を受け流しながら、不意にオレに向かって静かな笑みを見せた
「…何を言われても、私は否定も肯定もするつもりは無いわ……、宏光さん、初めまして、では無いわね」
「はい、この前のホテルでのパーティで…ご挨拶が出来なくて申し訳ありませんでした」
「いいえ、宜しくてよ……そう、今日からココに…カラダは大丈夫なの?」
「はい、…お陰様で…」
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GAYASAKURA(プロフ) - まいまいさん» 思います、数ある書き手様の中から見つけて下さり本当にありがとうございます!ご縁を頂けて嬉しいです! (2020年8月5日 21時) (レス) id: a6c9395ed2 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - まいまいさん» こんばんは!連コメありがとうございます!長々と引き伸ばしておりますが、少しでも楽しんで頂けてたら何よりです!えち展開もありますが、サラッと流して頂ければと思います、《I wish》や《雪華》も似たような展開なので、またお時間ある時にお越しいただければと (2020年8月5日 21時) (レス) id: a6c9395ed2 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい(プロフ) - 皆川が怪しくて気になりますが、ついに2人が一緒に暮らせるようになったので大満足です!!そしてニカも。2人が結ばれるところを早く読みたい〜HEATの宏光と太輔が楽しみすぎます!! (2020年8月5日 20時) (レス) id: d8ffbdef31 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» また読み手様の失笑を買いそうです笑笑、ある程度纏まったら触りだけアップしたいと思います!コメ大感謝です! (2019年6月11日 19時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» 移行になりました!6章ほ100作目になるので、ココで家族にしてあげたいんですが、どうかなぁと言うところです、ホントに書きたいのは、家族になってからなんですけどねー笑、引っ張りすぎたなぁと反省しております、次作も考えておりますが、これも長編になりそうで (2019年6月11日 19時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2019年5月5日 2時