《藤＋北》が、くっ付いた？ … ３ 表参道HUG編

SWEET・PEPPER …１３ ページ15

「うん…、ありがと」

「あんま抱えんな、溜め込みすぎてダム決壊したら、全部飲み込まれちまうかんな…」

ポン…てオレの肩叩いて、無自覚なキュン笑顔浮かべて「さて、もうひと踊りしてくるか」って立ち上がった

その後ろ姿を目だけで追いながら、オレは浅く息を吐いた

「ちっちぇークセに、…ホント、デカすぎ…」

いつもいつもグループの為にって、自分は二の次三の次の北山、そんな北山を見続けてもう何年だろ


ダムか…、そんなん決壊寸前だよ
キャパオーバーだ…色々


やるせなくて、膝立てて頭グシャグシャしてると、隣に気配
見なくても空気感でわかる

「いいオトコだねー、ウチの童顔最年長さんは？なぁ太輔！」

意味深な顔して、オレの肩に自分の肩ぶつけてくる、全くぅ何をそんなに楽しげに…

「…わーた、アブラ売ってる暇あるならフリ固めして下さいー」
「えーオレはフリ入れは早いよ！」
「入れはね！それは認める、でもそっからでしょ？」
「んーーー」

って、ワザとらしく悩むフリする

「今回は全員ソロもあるしさ、やること満載だよ」
「ソロなぁ、久しぶりだしコッチの方がテンション上がるw、今回もいい曲多いよな」
「そだな、聞いてくれる人、ライブに来てくれる人、全員にオレらの気持ちが伝わるといいな」
「ハグで返す？」
「そ！いつも貰ってる気持ちを、感謝とハグで返すんだって、その為にはレッスンレッスンー、…ほら休憩終わりだって、戻っぞ」

スタッフさんから、タイムアップが指示される、立ち上がりフロアに戻ろうとすると、後ろから「太輔」とわたが呼び止めてきた

「なんだよ？」


「お前もハグしてもらえば？」
「あ？」

「強がってばっかいないでさ、焦ってつんのめりそうな時は、手を伸ばせばいいんだぞ、お前にはちゃーんと、抱き留めてくれる人がいるんだから」

「なんだよ、それお前ってか？」

「うーん、オレなら共倒れw、でもアイツなら絶対カラダ張ってお前を支えてくれる、…ちっちゃいけど、オレらん中で一番懐と気持ちの大きい…可愛いオトコマエ！」


それが誰かなんて、聞かなくてもわかる


「お前がどんなにひどい転び方しても、倒れる寸前でがっしり受け止めてくれるよ、なのでお前は安心して倒れたらいい」

「なにそれ、オレ倒れること前提かよ」

茶化してその場を誤魔化そうとしたけど、わたは笑ってなかった



「お前は、限界来るまで自分を顧みないから…って、それが藤ヶ谷なんだけどな…って言ってた」

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