君想う夢・君恋し花

愛を売る人 … ２２ ページ23

寝所の襖を閉められ、トモはオレを抱き締めると、緋色の敷布に横たわらせた

オレの手首を敷布に押し付けて、覆い被さる様に抱き竦める、性別を超え誰よりも美しく整ったその顔が、真っ直ぐにオレを見つめていた

「…好きだよ…」

手首を掴んでいた手が離され、手の平同士を合わせると、結ぶようにキュッと握られた

同じ様に返せばいいのに、指が強ばって動かない

トモは、少しだけ寂しそうな表情になったけど、直ぐにオレを安心させるように微笑んだ


「…キス、していい…？」

そう言って、唇を触れ合わせようと顔を近づけてくるけど、重なる瞬間…胸の中に湧き上がる想いに、僅かに顔を逸らしてしまった

トモの動きが一瞬固まり、より強く指が絡んできた、苛立ちが食い込む痛みで伝わってくる…


「…宏光から、キスして…」

有無を言わせない言葉に、熱い眼差しが加わる

拒否など出来る訳がなく、握られた手を外し、オレはトモの首に両腕を絡ませ、顔を近づける

けど触れる瞬間、今度はトモが顔を背けた

「トモ…？」
「もういい…」

トモはそのままオレを引き上げるように抱き上げ、対面に膝立ちにさせた

「…良く似合ってる…この桜色の着物…」
オレの顔を両手で包み、頬から首筋のラインに沿って撫でるように下ろしていく

パサリ…と、そのまま振袖が肩から滑り落ちた

薄桃色の肌襦袢…前で結わえた紐がトモの指で解かれ、紅い敷布に腰紐が流れ落ちる

襟が抜かれ、腰に脱がされた肌襦袢が無造作に纏わりついた

「キレイだ…」

そのまま胸元に唇が這わされ、ピリッとした痛みが走る

「オレを見て…」

赤いシルシが胸に一つ…そしてまた一つと付けられらていく

でもトモは、それ以上のコトをオレにしてこない、その変わりにオレの手を自分のベルトに掛けた

「…してくれる？」

その先を促すような視線に、オレは己のやるべき事を受け入れる…

ベルトを抜き、前を寛げ、オレはトモのを口に含もうと顔を寄せた

既に兆し始めてるソレを、舌を絡め舐め上げると、トモの息を詰める声が聞こえた

「…っ、ﾊｧ……ヒロ…ミツ……」
「…ﾝ……ｱ……っ」


慣れた味が舌先に滲み出る

「上手いね……さすが、花魁……ｯ…」

オレの髪や項を撫でながら、掠れた声でそう言うと、咥内のソレがグッと質量と熱を増した

「…ｯｸ……」
「…ｯﾝ……ぅ……」

生暖かい精が、咥内にジュワリと拡がる

「飲んで…」


射る様なトモの眼差しに、オレは精を飲み下した

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