I wish to be your only one … L.O.V.E

Precious Lover … ５ ページ6

「お帰りひろ、裕太とメシ食ってたんだってな」

ウチに帰ると、一足先に太輔が帰宅してた

「あ、ゴメンな…太輔のが早かったんだ」
「うん、接待ソッコーで終わらせて帰ってきた、日本のこういうの、未だ慣れないんだよなぁ、オレ的には仕事済んだらすぐ帰りたい、ひろといる時間が一番大事！…コーヒー飲むか？」

サーバーにスペオキの豆セットしながら、聞いてくれる

「サンキュ、でもなんかアタマ痛いから止めとく」
「アタマ痛いの？大丈夫か？熱は？」

ちょこっと慌てた顔して、オレのおデコに手を当ててくる、その手をやんわり外しながら、オレは笑ってみせた

「熱なんか無いって！、図面起こしが増えてきてるから多分そのせいだと思う、城島工務店さんから発注依頼が多くてなぁ」

城島工務店は堂本さんがチーフをしていた頃からの取引相手だ、職人としての腕の良さはピカイチで、最近は城島工務店に施行依頼したいからという事で、取引の多いウチにデザインの指名してくれるクライアントが増えていた

いわゆる逆発注みたいな感じかな！

ウチと城島工務店が組んでの仕事は、相当数あった、全般的にオレが請け負うことが多いんだけど、最近は岸や安井くんも交えて仕事をすることが多い、時に若手には厳しい指摘もあるけど、城島工務店さんには、 とてもいい勉強をさせてもらっていた


「城島さんねぇ？…つまり長瀬棟梁？」
「まあ、そうかな」
「ふーん…」

忽ち口を開けへの字に曲げて、太輔がチロン…とオレを見る、まあ…コレは想定内の反応ｗｗｗ

太輔は長瀬棟梁の名前が出ると、わかりやすく不機嫌になる、太輔曰く《天敵》らしい

ていうのも、何年か前に城島工務店さんに忘年会に誘われて出席したんだけど、たまたまその日近くで太輔も取引先と打ち合わせしてて、一緒に帰ろって迎えに来てくれたコトがあった

その時、太輔と長瀬棟梁が鉢合わせみたいになって…

長瀬棟梁もいい感じに酔ってたのもあって、ふざけてオレをハグしたんだよね
タイミング悪く、外でオレが出てくんの待ってた太輔にソレ見られちゃって…

ガチの真顔で歩いてくると、長瀬棟梁からオレを引き離す勢いで腕掴まれた

「初めまして、宏光がいつもお世話になっております」
「ンあ？誰アンタ？」

「藤ヶ谷宏光の夫です！」「た、太輔ッっ？」

唖然としたオレを尻目に、太輔は長瀬棟梁に射るような視線を向ける

「…藤ヶ谷ァ？」
「はい、藤ヶ谷太輔と言います、以後お見知り置き下さい」

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