Precious Lover … 38 ページ39
なんでそんなこと言うんだ…
それと同時に、裕太が言っていたコトが手に取るように理解出来た
《太輔の負担になりたくないって… 》
ベッドに横たわりキツい眼差しでオレを見る宏光は、アメリカに行く時見送りに来た宏光とはある意味、全く別人だった
「ひろ…」
「父さんが勝手に連絡しただけだ、オレは何ともねぇよ…だからアメリカに帰れって、まだ結果出して無いんだろ…」
語尾が少し弱くなるのは、宏光の変わらない優しさの現れだった
「お前オレを誰だと思ってる?伊達に業界最大手の最年少役員やってねぇんだよ!バカか!」
敢えてそう言い返すと、宏光の丸くて大きな目がもっとまん丸になった、少し伸びたのか、そっと目に掛かる前髪をかきあげ、ブラウンの柔らかな髪を撫でた、そのまま頬に手を添え指先でその柔らかさを確かめた
「触んな…っ」
顔を背け、戸惑うような宏光の表情の中にある、隠せないオレへの愛
「強がんなよ…」
「そんなんじゃねぇし…」
「クス…ヘタクソか…」
構わず触れた頬はフワリと柔らかく、少しのザラつきも無い肌をしてる
髪の毛と同じ素直な手触りだ、変わらない宏光でいてくれたことに、思わず笑みが零れた
「たい…」
「…今は自分のことだけ考えてろ、オレの仕事はオレが考えるコトだ…、だけどひろ、オレ達のコトは一緒に考えよ…、オレ達は家族だ、何かあった時、一番に呼んで貰えるって嬉しいもんだな…」
「お前…?」
「一緒に聞くよ、お前の体に今なにが起こってるのか…そして、これからどうすればいいのか、…オレとお前は二人で一つだ、今までもこれからも……、何も気付かずにアメリカに行って、ホントにゴメンな…」
「たい…すけ…っ、」
掠れた小さな声でオレの名前を呼び、やっと伸ばしてくれたその手を掴み、オレは自分の首に回させた、そのままそっと胸に抱き締める…
細い肩が小刻みに震え、しがみつく両腕の力がギュッと強くなる
「怖かったよな…、一人で頑張らせてゴメン…」
「たい…っ……」
裕太から聞かされた宏光の《現実》…
その事実にどんなことが追加されるのか…
これから、その事がオレ達をどう変えていくのか、今は何も分からない
ただ一つ言えること…
何があってもこの人がオレの《唯一無二》であることに変わりはない
「北山さん、ご家族が来られたと伺いました…、カンファレンス室へご案内します…」
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GAYASAKURA(プロフ) - seaぺこさん» 続き覗いてくださればと思います!泣かせてゴメンなさい!コメ大感謝ですー! (2018年6月14日 23時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - seaぺこさん» こんばんは!コメありがとうございます!再読ありがとうございます、少しずつですが過去エピを入れております、あのシーンかぁと思っていただければ嬉しいです!ザワザワ展開ホントにゴメンなさいー泣泣、二人の絆を感じて下さるようにup頑張りますので、宜しければ (2018年6月14日 23時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
seaぺこ(プロフ) - こんにちは、何度も失礼します…またもやシリーズ初回から読み返していました泣 これ以上の試練…もし限られた時間なら24時間付いて居たいのに…嫁の事は自分の事より大切で心配で仕方ないのに、気持ちを隠して安心を与えようと振る舞う太輔旦那に涙です(TT) (2018年6月14日 16時) (レス) id: 5a95b02aa0 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - ふじみつさん» おります、覚えておられたら懐かしく思って頂けるのではないかと思います、なかなかのシリアス編となりそうですが、ラストは《藤北ぁぁぁ! 》で終われたらいいなぁと考えております、宜しければ続き覗いてくださればと思います!コメ大感謝です! (2018年6月13日 8時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - ふじみつさん» おはようございます!コメありがとうございます!はい、おそらく殆どの読み手様の予想がドンピシャだったのではないかと思いますwここからかなりの辛展開となります、申し訳ございませんー!今回は《記憶》がキーワードなので、過去エピ遡りながらupしようかなと思って (2018年6月13日 8時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2018年5月20日 20時