I wish to be your only one … L.O.V.E

Precious Lover … ４７ ページ48

「ココ面会時間決まってるみたいだから、オレ少しだけ居なくなる、その間に入院に必要なもん、ウチに取りに行ってくるわ、一人になるけどへーきか？」

オレの手をキュッと握ってそう聞いてくる太輔

同じ指にある、少しデザイン違いのリング


ずっと一緒に生きていく約束の証…この伝わる温もりと共に、この先もずっと…そのはずだった…

「…へーきに決まってんだろ！お前さ、オレ幾つだと思ってんだよ！アホ輔」
揶揄うようにツンとした鼻先を摘むと、一瞬目を丸くした太輔が、直ぐにプッと吹き出した

少し赤くなった鼻先撫でながら笑ってる太輔…

オレ好きなんだなよな…この笑い方、って改めて思った

「横になる？それとも座ってた方がいい？」
「あーもう寝ンの飽きた、…なあ、オレのケータイは？」

確か取り上げられたままだよな…まだ返してもらってないし…

「お義父さんから預かってるよ、はい」
って渡されたケータイにちょっとホッとする

デジタル社会に賛否両論あるけど、やっぱりどこにいても知りたい情報が得られるのは有難かった

太輔がリモコン使ってベッドの背もたれを上げてくれた

画面開くと事務所の子達から何件ものメールやLINEが入っていた、その中には長瀬棟梁からも…

《べっぴん、元気か？樫原邸は特に問題ないか
ら、安心しとけ、岸ってヤツもまあまあ使えそうだから、べっぴんの代わりにオレが鍛え上げといてやる、体大事にしろよ、また見舞いにいくな！》

長瀬棟梁らしい、文章だよな

添付の画像には、樫原邸の写メが何枚か貼られていた、流石と言うべきか、長瀬棟梁はオレが気になってた部分ばかりを大きく写してくれてて、ホントに有難かった

岸…相当絞られてんだろうな、でもアイツがもっと力を付けるには、長瀬棟梁の指導は不可欠だ

…これで、良かったのかもしれない…


…例え本心は別のところにあっても、そう思うしかないんだ…今のオレには…

「ひろ…」
「え？」

意識を戻すと、目の前に太輔がいた
オレの気持ちなんか全部分かってる顔して、見つめていた

「ケータイ、オレが預かっとこか？」
「…ううん、いい…、やっぱ…進捗状況も知りたいから…」
「そか…、だよな…」


そう言って、太輔はまたオレの顔を見た…

「新海先生にさ、言われた…オレに代わって仕事ができる人は必ずいる…でもオレ自身の代わりはどこにもいないって……、でもさ…」
「うん…」


「仕事も…オレそのものなら、どうすりゃいいのかな…」

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