I wish to be your only one … L.O.V.E

Precious Lover … ４５ ページ46

トモセンセイ…もうお義父さんから連絡行ってるんだろうか…宏光の今の状況、トモセンセイならなんて言うんだろう…

忙しなく廊下を行き来するドクター達を見ながら、オレはふと、そう思った

「なにか気になることあったら、何でも言って…」
裕太の性格そのままの笑顔を見せながら、そう言ってくれる、オレも小さく頷き返した

「裕太、夜勤明けなんだろ？もう帰った方がいい、…色々ありがとな」
「うん…、太輔も寝てないんだろ、目が赤い…」
「徹夜は慣れてるよ、大丈夫」
「…太輔、入院生活は長丁場だ、患者さんも勿論だけど家族の人の心労も計り知れない、休める時は休んだ方がいい、その方が患者さんも安心して治療受けてくれるんだよ、患者さんて、絶対自分より家族の心配するんだ、だからひろを元気にしたかったら太輔が元気でいないと！ね！」

アドバイスしてくる裕太は、しっかり医者の顔をしていた

「サンキュ、…裕太ホントに医者なんだな、すげぇ頼もしいわ…初めて会った時は、なんつー自己中でイヤなヤツって思ったのにな」
「あはは、大事なひろイジメるサイテーな男って？」
「そうそう！…でも、ホントのお前は全然違ってて、優しくて友達思いのいいヤツ…オレがいない間、宏光支えてくれてありがとな…感謝してる」

「それはね、太輔とひろのお陰だよ…二人がどんな時でもお互いを思い合うこと諦めなかったから…、会えなくても言葉も文字も交わせなくても、再会の日を信じ続けることを止めなかったから、オレもひろを応援する気持ちブレなかったんだ、あんなにも一途に一人の人を想い続けるひろが…オレ羨ましかった、そんな風に思ってもらえる太輔もね！」

そう言って、裕太は帰って行った


会えなかった１０年が、オレの記憶に戻ってくる

カレンダーの日付を追いながら、再会の日を心待ちにしていた日々…１５才で一旦止まってしまったオレとひろの時間…、最後に過ごしたあの日が来る度、今のひろはどんな姿をして、どんな風に毎日を過ごしているんだろうと思いを馳せた…

寂しがっていないか、辛い思いをしていないか…楽しかったことは…嬉しかったことは…

今、幸せなのか……


ケータイの中にいる宏光に何度も語りかけ、返らない答えに肩を落とした日もあった

それを思えば、今は遥かにいい…何があっても傍にいてやれる…目の前で宏光の感情の変化を知ることが出来るんだから…


コーヒーを飲み干し、立ち上がる


迷いはない
想いは、決まっていた───

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