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Precious Lover … 28 ページ29

「最期まで共に二人で…か、そんな風に思える人に出逢えた人生が、羨ましいね…」と棟梁がポツリ…と呟いた

「棟梁は、ご家族は?」

「んー、いねぇなぁ、親父もお袋もガキの頃死んじまった、城島工務店の先代が親父代わりみたいなもんかな…グレてたオレを悪ぃ仲間から引き摺り戻して建築のイロハから叩き込んでくれた、あのままだったら、オレは今頃…日の当たらねぇ世界でもがき苦しんでるだろうよ、オヤジさんに出逢えたおかげで、真っ当な道歩けてる、オヤジさんには感謝しかねぇんだ…」

そう言って棟梁は、思いを馳せるような目をした、

「そうなんですか…」

「だから…て言うのか、オレは《家族》てヤツがよく分からない、こんな人間が家族を持ったとしても、幸せにしてやれる自信がねぇんだ…」

自嘲気味な笑みを漏らし、ふと棟梁はオレを見た

「こんな話をしたの、べっぴんが初めてだな、おーやっぱコレって運命の出会いか?なぁべっぴん、オレの嫁になれよ」

「棟梁、も、冗談は止めてください!」
「だぁもう、あと10年オレが早く見つけてたらなぁ…」
「フフ、残念ですがそれでも遅いです、オレとアイツは…きっとこの世界に生まれる前から、決まってた…この先も、同じです」

「なんだよ、未来にもオレに希望ねぇのか、まあそれなら、現世でめいっぱい仕事で関わらせて貰うしかねぇなぁ、…べっぴん!城島との契約終わらせねぇように死ぬ気で頑張れよ!」

「勿論です!全力で努めさせていただきます」

「…いい仕事しような、何年も…何十年も大事な想い出を積み重ねていけるハコを作る、それがオレの生きてる証だ、…頼むな、べっぴんオトコマエ!」

「はい!宜しくお願いします!」


差し出された手をグッと握る、大きくて厚みのある棟梁の手は、クライアントの想いに一途に添う匠の熱い想いと心意気が溢れていた

これからもこの素晴らしい人と一緒に仕事をしたい



そう願って止まなかった…






それなのに…





どうしてオレには、許されないんだ…







愛する人と共に生きることも

情熱を傾けた仕事に携わることも




なぜ、許してくれない…






どうして



《オレ》じゃなきゃいけないんだ…────

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GAYASAKURA(プロフ) - seaぺこさん» 続き覗いてくださればと思います!泣かせてゴメンなさい!コメ大感謝ですー! (2018年6月14日 23時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - seaぺこさん» こんばんは!コメありがとうございます!再読ありがとうございます、少しずつですが過去エピを入れております、あのシーンかぁと思っていただければ嬉しいです!ザワザワ展開ホントにゴメンなさいー泣泣、二人の絆を感じて下さるようにup頑張りますので、宜しければ (2018年6月14日 23時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
seaぺこ(プロフ) - こんにちは、何度も失礼します…またもやシリーズ初回から読み返していました泣 これ以上の試練…もし限られた時間なら24時間付いて居たいのに…嫁の事は自分の事より大切で心配で仕方ないのに、気持ちを隠して安心を与えようと振る舞う太輔旦那に涙です(TT) (2018年6月14日 16時) (レス) id: 5a95b02aa0 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - ふじみつさん» おります、覚えておられたら懐かしく思って頂けるのではないかと思います、なかなかのシリアス編となりそうですが、ラストは《藤北ぁぁぁ! 》で終われたらいいなぁと考えております、宜しければ続き覗いてくださればと思います!コメ大感謝です! (2018年6月13日 8時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - ふじみつさん» おはようございます!コメありがとうございます!はい、おそらく殆どの読み手様の予想がドンピシャだったのではないかと思いますwここからかなりの辛展開となります、申し訳ございませんー!今回は《記憶》がキーワードなので、過去エピ遡りながらupしようかなと思って (2018年6月13日 8時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2018年5月20日 20時

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