淡雪恋蕾 … 123 ページ34
カチャ…とドアが開く音がして、太輔がリビングに入ってきた
予想通り…困り果ててる表情…いつものダイニングの椅子に座ってるオレと目が合うと、深いため息をついてソファにドサッと腰を下ろすと、オレに手を差し出した
「おいで…」
傍に行くと手首掴まれて、引き寄せられる…そのまま向かい合う形で膝に乗せられた、オレの腰に手を回しそっと密着する様に抱き寄せる
少し見上げる形でオレの顔を見つめると、「ゴメン…」と呟いた
「なんで謝る?」
「まさか柊羽があんなコト言い出すと思わなかった…昨日、もっとちゃんと言って聞かせるべきだった…お前になんて言えばいいのか、正直わかんない…許してくれ、でいいのか?」
ホントに、途方に暮れたような顔…ここまで戸惑いの表情を見せる太輔は初めてだった
「お前を許さなきゃいけないことなんかなんも無いよ、それは柊羽も同じ…」
太輔の少しクセのある後ろ髪に指を通しながら、オレはそう伝えた
「ひろ…」
それはオレの本心だ…今のこの状況を責める相手がいるとするなら、柊羽をあそこまで追い詰めた父親に以外に有り得なかった
「オレを好きとか宏光を拒否るとか、…も、ワケわかんねぇ…何がどうなってんだ…」
混乱をきたした太輔は、ソレを持て余すように口許に手を当て俯いた…
柊羽の想いを到底受け入れることなんか出来ないと言う太輔の気持ちは素直に嬉しかったけど、溢れる気持ちをどこにも持っていけない柊羽にも心が痛む思いがした
「不安なんだよ…柊羽は今、不安で不安で…どうにかなりそうなんだ…あの子は本当に今まで自分の居場所がなかったんだ…張り裂けそうな気持ちを誰も受け止めてくれる人がいない中で、必死に自分で自分を支えてきた…限界を超える寸前、如月と言う拠り所を見つけて心からホッとしていたんだと思う、それがまた脅かされようとしてる…ましてや二度と会いたくなかったヤツに元の生活に引き戻されるかもしれない恐怖…誰かに縋り付きたいと思って当然だと思うよ…」
「柊羽はソレを恋愛感情だと勘違いしてるってことか?」
「…如月のトップは太輔だ、今の柊羽には太輔だけが頼りなんだ、太輔の為だけに存在してるコトが、柊羽にとって如月にいられる大義名分なんだろう、だとすればオレを拒否してくるのもわかるよ…不安の元凶が無くなれば元の柊羽に戻る…それまでは…」
「柊羽を受け入れてるフリをしろってことか?ムリだ!、オレには出来ない」
「太輔…」
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GAYASAKURA(プロフ) - tryさん» ドキドキ展開になってるといいのですが、宜しければまた感想などお聞かせくださいませ!コメ大感謝です! (2018年3月25日 23時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - tryさん» こんばんは!コメ返遅くなり申し訳ございません!こちらこそ、大量アップを目にして下さり感謝申し上げます!そして、安定の移行となりました!今回は旦那は出張中なので、とりあえず最強のラスボスにオファー致しましたw気に入ってくださると嬉しいです、 (2018年3月25日 23時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» 宜しければお待ちしております!コメ大感謝です! (2018年3月25日 23時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» こんばんは!コメありがとうございます!コメ返遅くなり申し訳ございません、はい、閻魔的ラスボス降臨です、この方も色々悲しみを抱えて生きています、不器用ながらも息子の太輔を愛していることをお伝えできればなぁと思います、移行となりましたがコチラも (2018年3月25日 23時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
try(プロフ) - 大量更新ありがとうございます(/▽\) 姐さん強し…されど、閻魔様やばし…ですねΣ(゚□゚;) 姐さんの覚悟に、太輔さんかと思いきやの…閻魔様。 毎回ドキドキの展開で、楽しみでたまりません( ´艸`) (2018年3月25日 15時) (携帯から) (レス) id: 9d1b77fd6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2018年3月7日 23時