淡雪恋蕾 … 94 ページ4
…なんにも手につかない…
テキスト用のノート…1文字も書けてないそのページを、オレは塗り潰す様に黒のボールペンで一面書きなぐった
そのまま机に突っ伏して、何一つ変えられない現実に唇を噛み締めた
やらなきゃいけないコト、まだいっぱいあるのに何も考えられない…っ、アイツとのやり取りがあの日から頭を離れくて…
「…戻りたくない……っ、ココにいたいよ……」
太輔とミツの笑ってる顔、ずっとずっと傍で見ていたい…「柊羽…」って優しい声で名前呼んでほしい…
でも、どうすればいい…
《未成年を保護者の許しもなく家に住まわせてるなんて、誘拐罪だろ…訴えてもいいんだぞ…》
そんなことになったら、如月組そのものに迷惑が掛かる…
タダでさえ赤の他人のオレを家に置いてることで、側近や傘下の組から下衆な中傷めいたコトを言われてる太輔とミツ
この上ケーサツ沙汰なんかになったら、太輔達のメンツは丸潰れだ…中には反旗を翻す人だって出てくるかもしれない…
考えれば考える程、オレの取るべき選択肢は一つしかない様に思えた…
夢は夢で終わらせるべきなのかもしれない…
元々オレはアンダーグラウンドでしか生きられないヤツだ…光を求めるなんて分不相応…そんなこと、分かってたんじゃないのか…
机の引き出しを開けると、封筒に入った札束がある…闇の世界に人としてのプライドを売り渡した《代償》…
あの頃は、この《代償》しか信じられるものは無かった…人の気持ちなんてお構い無し、増えていく《代償》の代わりに失っていくのは、人として一番大切なはずの《心》…
見失いかけた《心》を、もう一度オレの手に握らせてくれたのは《太輔とミツ》だった
オレに出来ること…
それは…
《代償》を手にして玄関を出た時、そこにいた人にオレは驚いた
「…ユキヤさん…」
「どこ行くんだ?柊羽…」
いつからココにいたんだろう…偶然では無いことを直感的に感じた
「…どこも…行くつもりないよ、ちょっと勉強煮詰まっちゃって、気分転換…」
取って付けたようなオレの言葉に、ユキヤさんが怪訝な表情を、向けてきた
胸の奥にしまい込んだ決意を悟られない為に、オレは無理矢理作り笑顔を浮かべた
ユキヤさんは、何も言わずにオレを見ていたけど
「気分転換したいなら出かけようぜ、付いてこい」と誘いの言葉を口にした
「ユキヤさん…オレ…っ」
「行くぞ」
有無を言わさない雰囲気、仕方なくオレはユキヤさんの背中を追いかけた
418人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
GAYASAKURA(プロフ) - tryさん» ドキドキ展開になってるといいのですが、宜しければまた感想などお聞かせくださいませ!コメ大感謝です! (2018年3月25日 23時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - tryさん» こんばんは!コメ返遅くなり申し訳ございません!こちらこそ、大量アップを目にして下さり感謝申し上げます!そして、安定の移行となりました!今回は旦那は出張中なので、とりあえず最強のラスボスにオファー致しましたw気に入ってくださると嬉しいです、 (2018年3月25日 23時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» 宜しければお待ちしております!コメ大感謝です! (2018年3月25日 23時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» こんばんは!コメありがとうございます!コメ返遅くなり申し訳ございません、はい、閻魔的ラスボス降臨です、この方も色々悲しみを抱えて生きています、不器用ながらも息子の太輔を愛していることをお伝えできればなぁと思います、移行となりましたがコチラも (2018年3月25日 23時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
try(プロフ) - 大量更新ありがとうございます(/▽\) 姐さん強し…されど、閻魔様やばし…ですねΣ(゚□゚;) 姐さんの覚悟に、太輔さんかと思いきやの…閻魔様。 毎回ドキドキの展開で、楽しみでたまりません( ´艸`) (2018年3月25日 15時) (携帯から) (レス) id: 9d1b77fd6f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2018年3月7日 23時