淡雪恋蕾 … 103 ページ13
「眠れない…」
シーリングライトのオレンジ球が、ボンヤリと部屋の中を映し出していた
来た時は布団以外何もなかった部屋には、太輔とミツが選んでくれたベッドと机…収納チェストが置かれていた、元々置いてあった本棚には、ミツが学校で使ってた教科書や参考書、そして今回ほ受験の為のテキストか並べられていた
生まれてから一度も自分の部屋なんて持ったことなくて、ましてや自分の為に新しい家具を揃えてもらったのは初めてだった、サプライズに近い形で運ばれてきたときには、声も出ないほどおどろいて、嬉しくて嬉しくて堪らなかった
オレは、ここにいてもいいんだ…
言葉にしなくても、太輔とミツの温かい心遣いがその事を教えてくれた
なのに……どうして、今になって…っ…
《また一緒に暮らそう》
《お前はオレの生活の糧だ》
《父親のオレにいい暮らしをさせてくれよ》
あの男に力ずくでねじ伏せられるオレの毎日…
朝が来て、酔いつぶれたアイツを見る度に、オレの心は冷たく凍えていくように思えた
顔にキズを付ければどうなるかをアイツは知っていたんだろう、カラダのキズは癒えるより前に真新しいものが次々とついていった…
もう…あんな毎日はイヤだ…
誰かに怯えて…痛みを堪えながら泣いていたオレには、もう戻りたくない…っ
《お前が自分で如月を出ていくと言えばいい 》
そんなこと言えるわけない…
オレの家は如月だ…
オレの家族は、太輔とミツだ…
他の家族なんて、いらない
だって、嬉しかったんだ…
「お前は、オレ達の大事な家族だ…」
注がれる優しい眼差しは、その言葉が嘘偽りの無いことを伝えてくれた
そうだ、アイツに言えばいいんだ…
お前なんか、オレの家族じゃないって……
ベッドを下り、窓際に立つとオレはカーテンを開けた
目に前には、真冬の冷たく冴えた月明かりが、外の世界を照らしていた…
「……ッッッ!!!!」
それは、どんなに抗っても消えない記憶…
見えるはずのない、そのゾッとする程の笑顔が
オレの全身を凍りつかせた…
そして、ガキの頃から与えられ続けた…あの感覚が戻ってくる…
無力感…
今のオレには、それしかなかった…
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GAYASAKURA(プロフ) - tryさん» ドキドキ展開になってるといいのですが、宜しければまた感想などお聞かせくださいませ!コメ大感謝です! (2018年3月25日 23時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - tryさん» こんばんは!コメ返遅くなり申し訳ございません!こちらこそ、大量アップを目にして下さり感謝申し上げます!そして、安定の移行となりました!今回は旦那は出張中なので、とりあえず最強のラスボスにオファー致しましたw気に入ってくださると嬉しいです、 (2018年3月25日 23時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» 宜しければお待ちしております!コメ大感謝です! (2018年3月25日 23時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» こんばんは!コメありがとうございます!コメ返遅くなり申し訳ございません、はい、閻魔的ラスボス降臨です、この方も色々悲しみを抱えて生きています、不器用ながらも息子の太輔を愛していることをお伝えできればなぁと思います、移行となりましたがコチラも (2018年3月25日 23時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
try(プロフ) - 大量更新ありがとうございます(/▽\) 姐さん強し…されど、閻魔様やばし…ですねΣ(゚□゚;) 姐さんの覚悟に、太輔さんかと思いきやの…閻魔様。 毎回ドキドキの展開で、楽しみでたまりません( ´艸`) (2018年3月25日 15時) (携帯から) (レス) id: 9d1b77fd6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2018年3月7日 23時