藤北協奏曲…利家とみつ？ ２

MJK？… ７８ ページ35

「もお起きてよっ！みつっ！ガヤさんっっ！」

最っ強にうるさい声と揺さぶりに、オレは再び引き摺られそうな微睡みの中、薄ら目を覚ました、

誰だっけ…この金パのツーテール……すげぇガタイゴツい……あ、千賀だ…

ポワンとする意識をかき集め、目の前の《女子 》に視線を合わせた

「おはよ、ねぇちょっと起きてる？」
「あ…？うん…オレ、寝てたのか…」
「あーも、先にヘアメイク出来たからって二人で寝るぅ？仲良すぎー♥」

って、何やら意味深な笑みのニカもいる、ファーベストすげぇな…マタギか？

てか…なにが…二人？……ん？なんか…肩重てぇ…

右側にいる千賀とは反対の肩に結構な重み、チラッと目を向けたオレの目にどアップで入ってきたのは、オレの肩に持たれるように頭置いた《みつ姫》だった

「うえっっ！？みつ姫？」

秒で体を避けると、そのまま重力に任せて上半身がオレの方に傾いてきた、慌てて抱きとめると、その衝撃で《みつ姫》がゆるりと目を開けた、ポヤンと寝ぼけ眼でオレを見るのは…北山か…

ちょっとした出来事に全員が反応するのがオレ達《キスマイ》の通常運転

すぐに弟達がオレ達の近くに、興味津々て顔して寄ってきた


「…みつ姫てナニ？」
「うふ！ガヤさん、お姫様ごっこしたいの？」
「じゃ私プリンセス俊子ー、可愛キューン♥」
「キメェ…おま、何もかもがきめぇんだけど！」

「……そりゃ全員だろ？、太輔、みつ、待たせて悪かったな、コイツら《ジョシマイを進化させる》とか言って、ヘアメイクさんにバージョンUPさせまくってさ、仕上げ予定よりかなり押しちまった」

そう言う渉の足元も、今日は網タイになっていた、…何気渉も楽しんでる？

「…そか…、なんだ…アレって…」
「…夢だったのか…」

オレが言うはずの《夢だったのか》…を、隣にいるショートボブの人が呟く…予期せぬ言葉に思わず驚いた表情を向けると、北山は少しだけ不思議そうな表情をした…くりくりした瞳をマトモに見られないのはいつものコトだ、オレは顔を背けソファから立ち上がった

「藤ヶ谷…、あのさ…」

何か言いかけた北山だけど、すぐに口を噤んでしまう、そのまま立ち上がり壁面の鏡に向かうと、そこに映る自分の姿を確認する様に鏡に顔を寄せた

その顔には見覚えがある…けど…

だよなぁ…《利家とみつ姫》とか、しかもオレと北山にそっくりとかあるわけないし…


鏡に背を向けた時、「としいえ…」と北山の微かな声が聞こえた…

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