LOVE CASTE … 恋哀階級 vol.２

CASTE … ８５ ページ39

｢…おはよ｣

長い睫毛が微かに震え、ヒロが薄らと目を開けた…《ぽややん》な表情…

オレを見て第一声はなんて言うかな…て先に目を覚ましたオレは、ヒロのスヤスヤ顔を見ながらそんなコトを思っていた

無防備な寝姿…二人してあのまま寝落ちしたから何も着てなくて、狭いシングルベッドで夜明けの冷え込みをお互いの体温で凌いでいた

けど、わりと結構な時間になってもヒロが起きる気配は全くない…

んー…どしよ…オレお腹空いた…
起こしてもいいかな…

ぷにぷにしたホッペをつついても、丸っこい鼻先にチュってしても起こる気配は全く無くて、
とりあえず朝ごはん作ってから起こせばいいか…とベッドの中でゴソゴソ動いた時、ヒロが目を覚ました

けど、期待の一言どころか、ヒロはオレと目が合っても特に表情も変えず、再び微睡みの中に戻っていく素振りを見せた

…アレ？寝ちゃう？
｢ヒロ、起きないの？｣

その答えは｢眠みぃ、寒みぃ…｣だけ…かと思ったら、薄目を開けて何かを確認すると徐にピトッてオレにくっついて来た…
もちろん無意識…なんだろうけど、オレの懐に収まるようにちょこっと肩竦めてスポって入り込んで来るから、その《きゅん仕草＆愛されサイズ》にソッコー瞬殺されてしまう

おまけに赤い唇が少しだけ開いてて、｢ン…｣とか
声漏れてるし、そんなんされたら眠ってるハズのムスコくんが起きちゃう！

｢…あのぉ…｣
｢…なんだよ…｣
｢ちょっと…ヤバいオレ…｣
｢…あ？……あ！｣

なにやら邪な気配を布団の中に感じたようで、パチリと目を開けた

｢…太輔、…おま当たってんぞ…｣
｢えっと…健全男子だから…｣

この状況で、オオカミ男子にならないワケがない！

｢ヒロ…っ｣って、抱き締めようとした一瞬早くオレの赤ずきんちゃんはスルリとベッドから抜け出ちゃって、勢い余ったオレはベッドから床にダイブの格好になった

｢いってぇ！｣
｢バーカ！おま朝からガッツキ過ぎ！｣

フフ…て笑いながら何一つ隠すこともせず、ヒロはバスルームに消えていった


バタン…と扉が閉まる音がする…

ヒロはまた…あの香りを纏うんだろうか…

あの香り…

それは姿は無くても、ヒロを自分のテリトリーに閉じこめる為の《香りという名の檻》そのものに思えた

服を来て朝ごはんの支度が済んだ頃、ヒロがバスルームから出てきた、今度はちゃんと部屋着を着てる

｢わ、美味そー！｣

はぐはぐ食べてるのヒロ…可愛い♥


｢ねえ、今から《でぇと》しよ！｣

CASTE … ８６→←CASTE … ８４※

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す