LOVE CASTE … 恋哀階級 vol.２

CASTE … ６６ ページ20

次の朝…太輔は起きてこなかった…

リビングの布団に包まってたけど、オレが出勤の準備でドタバタしてても目を開けることは無くて…まあ、昨日の状況を考えると、やっぱりお互い気まずいから、太輔の選択は間違ってはいなかった

けど、アイツの｢いってらっしゃい｣がない朝は、なんだか…つまらない…今日一日頑張れない…と思ってしまう…


玄関に向かいながら横目でアイツを見た…手が届く距離いるのに…今は遠く感じた

そっと毛先に触れ、撫でるように指絡ませて
｢太輔、行ってくるな…｣
そう声を掛けると、何となく…布団を被ったアタマが動いたように思えた…

微かでも反応があったコトが、何となくホッとした…

靴を履いて外に出ると、少し曇り空…
天気予報は、曇時々雨か…置き傘ロッカーに置いてあったよな…と思いながら駅への道を急いだ

いつもと同じ時間、そしていつもの電車…

座れないのもいつもの事で、オレは定位置の入口近くに場所を取った


約40分の道のり…考え事にはうってつけの時間…思い出すのはやっぱり昨日の出来事だった

ベッドに倒れ込んで、慌ててオレの状況を確認した太輔…覆いかぶさる様にオレに重なってたカラダの重みと温もりをリアルに覚えていた

一途に想いを含んだ瞳が、とても艶っぽくて…
近づくキレイな顔に胸がときめいた…

あのまま受け入れかけたオレを、聞こえてきたトモの声が制した


《お前は、オレのものだ…絶対に離さない…》

決着どころか、何一つトモとの関係に変化を起こすことが出来てないのに、太輔を受け入れることなんて到底無理で…それだけはしてはいけないコトだと思った

唇が触れる寸前で拒否ったカタチのオレを、太輔は責めることもせず、ただ切ない表情をして部屋から出ていった…


最初はカモフラージュの為に一緒に住むことを提案したオレだけど、今は太輔が待ってる家に帰るのが楽しくて堪らなかった


オレの帰りを待っててくれる人がいる…


その存在は、何よりもオレの胸をホッコリと暖めてくれた、トモといる時には感じられなかった《陽だまり時間》を太輔は作ってくれる

このままずっとこの時間が続けばいい




そう思うオレは、ズルいヤツだ…



所有者を持つ身で、他の人を恋焦がれるのは



罪なコト……




罪と罰を受けるのなら、その人を想い続けることは許されないんだろうか…





太輔…



好きになって…ゴメンな…────

CASTE … ６７→←GAYASAKURAです。。。

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