LOVE CASTE … 恋哀階級

CASTE … ３１ ページ33

｢じゃミツ、オレが二人送ってくわ、ここからだとミツ遠回りでしょ｣
｢そうだけど…でも、大丈夫かよ｣

泥酔寸前のオトコ二人…どう見てもタクシーで寝落ちしそうだ
｢多分…｣
チラリと隣の二人に目をやるタマ、ちょっと不安そうな表情が浮かぶ

オレは前ドアを開け乗り込んだ

｢付いてくわ、お前一人じゃムリ｣
｢いいの？｣
｢おん、…行ってください｣

ドライバーに行き先伝えて、そのまま発進してもらった

｢ゴメンねミツ、帰るの大分遅くなるよ｣
｢構わねぇよ、明日金曜だし１日働いたら休み！｣
｢コイツら明日飲み会すりゃイイのに｣
｢土曜日はそれぞれやることあんだろ、ニカ千が転勤先で頑張ってるって城島部長が喜んでたわ｣
｢城島部長、三人本社にいる時オレらのコト何かと目をかけてくれてたもんな｣
｢新人研修が衝撃的過ぎて忘れられねぇんだろｗｗｗ｣
｢あはは、それ今も言われる！｣

楽しそうなタマ、巻き添えだなんだと言いながら、この３人は今も仲良しだ
同期はライバルでもあるけど、それ以上に心強い仲間でもある、この先もいい関係を続けてほしいと思わずにいられなかった

とりあえずホテルの送り届けて、
｢いいか！明日はぜってぇ遅刻すんなよっ！｣ってクギ指して玉と出た

｢ぅあーい｣
｢りょ｣
って一応返事返って来たから、もうそこまででタマとホテルを出た

｢ミツさあ、今日ウチ泊まれば？ここから帰んの大変でしょ！オレんちタクシー乗ってもそんな遠くないから、そうしよ！｣
｢え、でも…いいのか？｣
｢いいよ、何で？｣
｢イヤがんないの？…トシくん｣
｢ブッ、何それ？ミツはセンパイじゃんｗｗｗ｣
｢そうだけど…｣

フツーに会う分にはなぁ全然いいと思うけど…
｢仮にミツと裸で朝までいても、宮田は気にしないよ、オレが見てんの宮田しかいないってアイツ知ってるから｣

へへっ…て照れくさそうに笑いながらタマはオレにそう言った、それは本当に幸せな人しか作れない笑顔…いつもは猟奇的とも言える宮田への対応だけど、タマの心の中はいつも宮田への愛に溢れてるってコト…そして宮田もそれをちゃんと分かってる…

オレはこんな風にトモを見ているんだろうか
この2人のように安心して相手に全てを委ねられる関係は、オレとトモには当てはまらない


この先も…永遠に…

トモの目線一つ言葉一つにオレは一喜一憂し、いつか来る別離の瞬間から目を逸らしてる


トモのコトをズルいと言いながら

甘い裏切りを欲しがってるのは、オレだ…

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