LOVE CASTE … 恋哀階級

CASTE … １ ページ2

…ストイックに鍛え上げた背筋が白シャツを羽織る仕草でキレイに盛り上がる、本人こだわりの肌触りのいい白Tの上に真っ白なシャツ…

｢シャツに汗の匂いつくのイヤなんだよな｣

そう言って、オレとのコトが済むとサッサとシャワー浴びにバスルームに向かう

違うだろ…

オレと繋がった匂いを消したいんだろ
ウチに置いてあるボディソープもシャンプーも、アイツの家にあるのと同じ…ついでに言うなら歯磨き粉も…

キレイ好きで潔癖症
なのに…《裏切り》は平気なヤツ


その最低最悪な…愛しい背中をオレはベッドの中からボンヤリと見つめていた

視線を感じたのか、ふとカフスを止めていた動作が止まり顔をこっちに向けた

印象的な黒い瞳と、誰より整った顔立ち…
いつ見ても何度見ても、オレの心を深層を根こそぎもぎ取っていく優しい悪魔…

緩く口角を上げた表情に、罪悪感は微塵も無い…

｢…なんだ、起きてたのか？｣
｢……帰んの？｣

｢ああ、明日は朝から桜来と院長の家に呼ばれてる…、ムコは大変なんだよ｣

そう言って浮かべる屈託の無い笑顔に、オレの胸が締め付けられる
けど、引き止めるコトをオレはしない

｢行くなよ…｣
その一言を口にしたら、きっと…もうこの関係は終わる…
終わらせなきゃいけないのは分かってるけど、その人が消えてしまった後を想像するのが、怖くて堪らなかった

始まりも終わりも…あやふやな関係…

何も言わないオレの傍に来ると、ベッドに腰掛けて頬に手を添えた

｢今日も可愛かったよ…ありがとな…｣

軽く重なる挨拶用のキス
見た目愛されてるようで、実は雑な扱いされてるのは、分かってる

｢サッサと帰れ…｣

キスから顔を背け、オレは乱れた毛布に潜り込み、柔らかい肌触りに体を包んだ

｢また連絡するから、…愛してるよ｣

髪に触れた手が遠のき、ドアが閉まる音がする…


この瞬間が一番に嫌いだ…
まだ秋の始まりなのに、一気に部屋の空気が冷めていく

頭まで毛布を引っ被り、冷たい空気から肌を守るために縮こまる…ホントに包まれたいのは違うけど、とりあえず毛布から香るアイツの残り香を吸い込み、目を閉じる…

消えない残像

さっきまで肌に触れていた手のひら…唇…
アイツのすべてを取り込んだカラダは、虚しさも哀しさもこの身に受け入れることを望んでいた

｢…一人にすんなよ…トモ……｣

我知らず呟いてる…

いつまでオレはこんな時間を過ごすんだろう

ケータイに残る《今日行く》の文字が不意にボヤけた

CASTE … ２→←GAYASAKURAです

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