LOVE CASTE … 恋哀階級

CASTE … ６ ページ7

シャワー浴びて一息ついて、遅めの朝昼兼用のメシを食ってるとケータイが着信音を鳴らしてきた

｢タマか…｣

相手は会社の後輩、《玉森裕太》
入社３年目のフワフワ癒し系ダンシだ

嫌味なく誰からも好かれるイケメンくんｗｗ
新人研修のときオレに付いてから、懐かれて部署が離れた今もつるんでる

｢はい、タマどした？｣
｢あ、北山さん？｣
｢……お前が《北山さん》て言う時、ぜってぇ裏かあるよな？何だ？｣

流石に会社ではないけど、プライベートではタマはオレを《ミツ》て呼んでくる

一人っ子のオレは、弟みたいなタマがけっこう可愛くてソレも許しちゃってて、プラべでタマが《北山さん》呼びする時は、ほぼほぼ何かしらのオネダリだ

｢えへ、…あのさぁ今休日出勤で会社に来てるんだよねぇ…｣
｢おん、そりゃ大変だな、ご苦労さん、…じゃな！｣

大体その先は分かる…誰が行くかっ！
ってＴＥＬ切ろうとしたら、めっちゃＴＥＬの向こうから｢待ってぇぇぇっ！｣て絶叫された

｢…会議資料…一人で作れない…助けてミツぅ｣
｢またかよ…おま三年目だろ？いつまで新人気分引き摺ってんの？｣
｢だってさぁ、今度新しい病院と契約することになったんだけど、担当のドクター、すげぇクールでその上無口で何考えてんのかサッパリわかんないんだもん、課長にはそのドクターを攻略しないと契約取れないからぜったいミスすんなって言われるけど、オレとなんか話もしてくれないからさぁ、落とし所が全くわかんねぇってぇの！ハアァァァァ…｣

盛大なため息がコッチまで漏れてくるようで、オレはつい笑ってしまった

仕方ねぇな…

タマのいる部署は元々オレが主任として所属してた、入社から7年…オレはそこで営業とは何かをセンパイから教わった

三十になった年に、その時オレの面倒を見てくれてた滝沢課長(現在は最年少の部長)から招集されて営業から管理統括部門に鞍替えすることになった

一応…この製薬会社ではエリートコース…らしい

同期では異例の人事…
周りからのやっかみもあったけど、そんなのは仕事で見返せばいい事で…

｢分かった、これから着替えて行くわ、待ってろ…タマ、晩メシおごれよな！｣
｢いいの！？うんうん何でもご馳走するよっ！ミツだーい好き！待ってるね！｣
｢こら、オレが行くまでにちゃんと出来るコトしとけよ！丸投げとかマジ許さんからな！｣

ここまで言っとかないと、アイツホントにコーヒー飲んで《待ってる》だけだかんな…


｢大丈夫ぅ！｣

CASTE … ７→←CASTE … ５

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す