One Kiss！！…５

チャラくNIGHT？…１９９ ページ8

大門を通り中に入る…

五年前のライオン金パだったオレ、この門をくぐるコトが何を意味するのか検討もつかなかった

こんなとこに来て何が変わる？
変えたいと思ったところで、チャラいオレに何が出来る？

自問自答しながらこの門をくぐった



けど、違った


ココに一本足を踏み入れることで、オレは自分の弱さや甘えを認め、本当に大切なコトを手に入れる為に必要な存在を知った

オレの運命を変える人…それは大袈裟なことは何も無く、何気ない毎日の中で傍にいて欲しい人だと分かった

広がる境内には心地いい風が吹き、葉擦れの音がより静けさを伝えてきた

オレの運命を変えた人はどこにいる…？



辺りを見渡してた時


｢えっ、ヒロさん？ねぇヒロさんでしょ！？｣

記憶の中の元気な声と、記憶より少しだけ大人びた風の、背の高い男が本堂から走ってきた

｢よお心海！｣
｢やっぱヒロさんだっ！ウソわかんなかったよ！久しぶりっっ！えー何年ぶり？｣
｢５年かな？…オマエまだココにいたんだ？｣
｢うん、大学生まではココにいるコトになってて、卒業したら戻る！｣
｢大学受かったのか？あの勉強嫌いな心海が？｣
｢めっちゃ勉強したもん！あの頃太輔様もいないし、寺の修行もあるしでどうしようかと思ったんだ、でも太輔様が本山に行かれる前に総代の人にオレのコト伝えてくれてて、なんと予備校に行かせてもらった！そのお陰でちゃんと現役で合格したよ！｣

ニコニコしながら話してくる心海…
笑った顔は、高校生の頃とあんま変わんないように思えた

｢てかさ、おまえ背ぇ伸びた？｣
｢へへ、なんかさ高3まで成長期あってさ、今１８５ｗ…ヒロさん相変わらず愛されサイズだね｣

そう言って、上から目線でアタマポンポンしてくる…くそぉ！

｢るっせ、オレのカラダは伸縮性が高いの！この時間は重力マトモに受けてんだよっ！｣
｢はいはい、わかりました！…ヒロさん、太輔様に会いに来たんだよね、えっと…｣

心海はキョロって目を動かして、太輔を探し始めた


｢ん、そうだけど…いいよ、久しぶりだしな…散歩がてら探すわ、オマエは自分のオシゴトしてなさい！…頑張ったな心海｣

逆ポンポンしてやると、嬉しそうに笑って
｢じゃ、オレ戻るね！｣と本堂に走っていった

チラリと本堂の中に明慶さんがいるのが見えた


…変わってねぇな、ココは…



神木となってる欅の木に手を添えて、ココで太輔と月見をしたコトを思い出した


ヒロを抱いた太輔と…




｢ミャオ…｣

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