One Kiss！！…４

チャラくNIGHT？…１６８ ページ27

｢生半可な気持ちではありません、受けるからには必ず合格してみせます｣

星川さんからエレベーターの中で受験希望者か１００人レベルだと聞いた、受かるのはトップ５…受験希望者の中には兄貴の大学の後輩も多数いる

｢正直、かなり難度の高い試験です…｣

それでもオレは受からなきゃならない
住職の想い…そして大切な人との未来を作るために…

｢ふん、大層な自信だな…いいだろう、チャンスは平等に与えると社員にも言っている、だがお前は宏哉からの推薦枠での受験だ、他の社員と同じというわけにはいかない……、そうだな、試験にトップで合格すること…それが出来れば海外支社派遣を認めてやる、2位以下なら不合格だ、どうだ、出来るか？｣


｢社長っ！それではあまりにも宏光さんが不利ではありませんか！｣

ドアのところにいた星川さんの表情が変え、親父に意見した
そして兄貴の目もピクリと動いた

｢何が不利だ、今まで散々自分勝手な振る舞いをしていたのは誰だ？試験を受けれるだけ有難いと思え、お前の様な出来損ないが海外支社など笑止千万…止めるなら今のうちだ、どうする？私の条件を飲むのか？それとも今すぐ尻尾を巻いて逃げるのか…返事をしろ、宏光｣


組んだ手に顎を乗せ、小馬鹿にした顔を向けてくる男…これがオレの親父…

負けてたまるかよ


｢宏光、どうだ…出来るのか？｣

兄貴が親父とは違う眼差しを向けてくる
答えなんか、最初から決まってる


｢出来る出来ねぇじゃねぇ、やるんだよ！、オレはもう出会っちまったんだ…無かったことになんか絶対にしない…ッ｣


アイツと…太輔とちゃんと向き合えるだけのヤツになる…二人で未来を生きてくために、オレはやらなきゃならない


｢本気なんだな…｣
｢ああ、もしトップ合格出来なかったら、オレは全てを捨てる…北山にも金輪際近づかねぇ｣

目の前の親父を睨みつけると、ソレを平然と受け流した

｢お前がトップではないことを祈る、不合格ならばどこへでも失せろ、二度と戻ってくるな｣


投げつけられた言葉が、今のオレを傷つけることは出来ない、


｢アンタのその言葉が、オレの本気を引き出してくれるよ、今までは憎むことしか出来なかったけど、今だけは感謝する、…見てろ、オレはぜってぇアンタを超えてやる｣

｢それは楽しみだ…星川、出かける時間だ、車を回せ｣
｢畏まりました…｣

そう言うと親父はさっさと社長室を出ていった



｢宏光、強くなったな…｣

兄貴が笑いながらそう言った

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