One Kiss！！…２

チャラくNIGHT？…８６ ページ38

｢わあ、アナタが噂の《渋みつ》さんなんですね！初めまして！《KENーKING》でぇすっ！｣

会うなり唐突にガバァッとハグされて、驚きのあまり声を失った

｢や、ちょ…｣
｢めっちゃイケてるぅ！｣
｢でしょ！そうでしょ！｣

…って、もはや２人の会話がジョシ！なのに…

｢おま離せっ！擦り付けんなって！盛んなっ！｣

なんかやたらとグイグイ…もおおおおっ！

｢ひっど！流石にそんなコトしませーん！てへ！｣って、やっと離れてくれた…

コイツってば中々デンジャラス、距離を取ろう！うん！

｢ジョッシー松村から聞いて、絶対会いたいって思ってました！｣
｢そ、そうかよ、ありがとな｣

にじり寄る雰囲気を察して、後ろに下がる…
…てかオレは小動物かっ！

｢KENちゃん、渋みつさん怯えてるから程々にしないとお友達になってもらえないって！｣

雰囲気を察してかジョッシー松村が助けを入れてくれる。ちょっとホッ…

｢え、ホント？ヤダごめんなさぁい、大丈夫ですよ、食べたりしません！｣
｢当たり前だろっ！｣

そんな美味しく食われてたまっか！

オレ達のやり取りを慣れたようにクスクス笑いながら見てるジョッシー松村…多分日常茶飯事なんだろな…スゲェなコイツら

｢渋みつさんゴメンなさい、KENちゃん誤解されやすくて…、でもとってもいい人なんです｣

ポッて頬染めてカレシを庇うジョッシー松村は、なんだか幸せそうだ

｢ならいいけど…｣
｢ライブまでお話しましょ！｣

一応警戒レベルを解いて、３人でテーブルを囲んだ

フリードリンクのアイスコーヒーとジンジャーエールで乾杯！どうやら二人共酒は飲まないらしい

｢…へえ、KENーKINGは路上ライブしてんの？｣
｢はい、直接お客さんの反応を見られるので楽しいです！将来は音楽で食べていけたらなぁって｣

｢そか、また特殊な世界目指してんだな｣
｢KENちゃんの家って大金持ちなのに、ソレ許してくれたんだよね｣
｢うん、一度きりの人生だからやりたいことやれって…｣

顔見合わせて微笑み合う二人は、なんかイイ感じだった

｢いつか夢が叶うといいな…｣

そう言うと恥ずかしそうにKENーKINGは頷いた


｢じゃ一曲カマしてきまーす！｣

いつの間にか設えられたお立ち台の上のピアノ
青色のピンスポットを浴びて、奏でられるピアノ曲はフロアの雰囲気をガラリと変え、月明かりだけが作り出せるキレイな静けさを思い起こさせた


戻れんのかな…

オレ…





《また会おうね、絶対！》

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