the pink snow battle … 雪華CP

さくら風舞季…１２ ページ12

絶対に崩れない松永さんのポーカーフェイス…

隙を一つも作らない表情は、オレの猜疑心をやり込めるのに相応しいものだった

｢…気になるコトがあるなら、相手にちゃんと聞くか全てを見なかったことにするかのどちらかです、選択するのは宏光さんご自身です、どうぞご自由に…｣

｢ご自由に…って…｣

そんなこと言われたって…どっちも選べないから困ってんじゃん！


途方に暮れるオレに、松永さんはちょっと呆れたような表情を作り言葉を続けてきた



｢本人以外から聞いた話はあくまで客観視です、事実では無いコトも多い…そんな話を間に受けて一喜一憂するなら、この先太輔坊の伴侶として生きていくのは難しいですね｣


突き放すようでそうでもない松永さんの口調、この人は優しいんだか冷たいんだか、未だに分からない、でも言ってることはいつも物事の本筋を抑えていた

｢松永さん…｣

その時、｢ただいま戻りましたァ！｣と健永と宮田の声がした、その瞬間もうこの話は強制終了だ、太輔とオレの間に出来た蟠りを聞かせるわけにはいかないから…

結局、香水のコトも《さくらこ》の存在も何にも解決しないまま日にちだけが過ぎて行った

相変わらず太輔は忙しい…
帰ってくるのも遅いし、かろうじて一緒なのは朝くらいで…

深夜まで太輔を待つのは余計な妄想が大爆発しそうで、早々に寝てしまう日も多くなった
そんなオレを見て機嫌が悪くなるかと思いきや別にそんなことも無く、オレへの接し方も前と全く変わらなかった

後ろめたいことが何にも無いからなのか、逆に有るから放置してるのか…あーもぉこんなモヤモヤしてウジウジしてる自分に心底ムカつくッ！


なあ北山宏光…
もし…ホントにそうだとしても…

《さくらこ》と太輔、ただ一度だけの過ちなら、オレは許せる……んじゃないか…

許さなきゃいけないんじゃないのか……？








けど、事態はオレの想像以上の展開を見せた…

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