One Kiss！！

チャラくNIGHT？…４６ ページ47

｢そう、あの薫乃！思い出してくれた？｣
｢おんおん、久しぶりじゃん！薫乃…おま、なんか変わったなぁ｣
｢そう？｣
｢うん、薫乃めっちゃ可愛くなったな！｣

別に思ったまんま口にしたんだけど、薫乃はびっくり顔になったまんま固まってしまった

｢…ありがと…｣ってちっちゃい声がして下向いてしまって、オレとしては何か地雷踏んだのかと《？？》になってしまった

｢え…薫乃…？｣



｢西園寺様、どうされました｣

後から聞こえた声に振り向くと、藤ヶ谷太輔がツカツカと歩いてきた、そしてオレをチラリと見るとキュッと眉を潜めた

え、なに？オレなんかしたの？

｢…こちらの者がなにか？｣

｢まあ太輔様、いえいえ何もございません、娘の薫乃とコチラの北山さんが学園で同級生でしたので、…こんな場所で会えるなんて奇遇ですわね｣

と言ってオバチャンはオレを見てニコニコしてて…薫乃もなんだか恥ずかしそうで、オレとしては今どういうリアクションすりゃいいんだ？

オマケに藤ヶ谷太輔の表情は、何だか険しい…

｢そうですか、このような場所での懐かしい再会、仏様のお導きでしょうか…ですが間もなく会食も始まります、どうぞ私がご案内致しましょう｣

｢まあまあ次期ご住職自らのご案内なんて光栄ですわ、薫乃、行きますよ！北山さんそれでは｣
｢は、はぁ…｣

オバチャンは、なんだかすげぇ嬉しそうに藤ヶ谷太輔のエスコートに従ってて、藤ヶ谷太輔も《え、コイツこんな愛想良かったっけ？》ってくらいな華やか笑顔向けてるし、薫乃は少し困った顔をしていたけど仕方なさそうに二人の後を着いて行った

｢みっくんはココにいるの？｣
｢ん、まあもう暫くはいるかな｣
｢…じゃまた来てもいい？｣
｢あん？…おう…｣

って会話を交わして、オレと薫乃の再会は終わった

そっからは特に何もなくて、会食終了後は大量の食器洗いに精を出し、その後は本堂の掃除やら何やらバッタバタの一日がやっと終わりを告げた

心海の《太輔様って凄い！》をエンドレスに聞かされて相槌打ちながらの自由時間…藤ヶ谷太輔の読経と説法はなかなか評判が良かったらしい
日頃は子守唄にしか聞こえないお経や説法も、今日はちょっと聞いてみたかったかな…とか思ってしまうｗｗｗ

風呂から出て、最近の日課になった月見に外へ出ると、境内にヒロを抱いた藤ヶ谷太輔の姿があった


満月の光は思ったより明るくて、オレの好きな藤ヶ谷太輔の横顔のシルエットを際立たせていた

｢北山さん…｣

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