One Kiss！！

チャラくNIGHT？…１４ ページ15

｢お父様付きの星川要氏から、凛堂寺に依頼がありました、ご次男の宏光さんを凛堂寺で跡取りになる為の修行をさせて欲しいと…幸い凛堂寺は北山家の菩提寺ですし、是非お手伝いさせて頂きますと住職が快諾しまして、この度私がお迎えに参上したんです｣

｢要さんが？｣
｢はい、星川氏は京都の由緒あるお寺の一族、凛堂寺ともとてもご縁が深い方です、宏光さんに良かれと思ってお父上に進言されたのだと思いますよ｣

《宏光さんも、ご自身の道を探す時期なのかも》
と言う要さんの言葉が思い出された

｢宏光さん…｣
｢ん？｣
｢とりあえず…服着てもらえませんか、目のやり場に困るのですが…あ、失礼、私もでした…｣

恥ずかしそうに頬赤らめてベッドから降りると、キチンと掛けてあった袈裟一式を身に付け始める

コイツ…真っ裸でベッドに正座して話してるとか、ソレ気付かないとか、なんか天然で面白いなｗｗｗ

ちゃっちゃと着ていくオレと比べて、藤ヶ谷太輔は動作一つ一つがホントに丁寧で、そして着替えてるトコ見てると、肩から背中のラインに妙な艶がある

ふーん…腕のトコ、ホクロあるんだ…
見るともなしに着替えてるトコ眺めてると、視線に気付いたのか顔だけをオレに向けてきた

うっわぁ、コイツの《見返り顔》オニ艶だ、そこいらのジョッシー叩き潰せるんじゃね？

｢何です？｣
｢…オマエさ、坊主のクセに無駄にセクシーだよな｣
｢…そうですか？｣
｢おん、なんで？｣

単純にそう聞いただけなんだけど、藤ヶ谷太輔は口許にそっとキレイな曲線を浮かべただけで何も答えなかった


｢ん、コレって何？｣

床に転がってたピンクのモフモフ…マジックテープが付いてる…

｢ああ、アナタが昨日私に被れと仰ってどこからか持ってこられましたよ！｣
｢え、そうなの？｣
｢坊主のコスプレだけだとつまんねぇからコレも被れって、ホラこんな風に…｣

そう言うと、藤ヶ谷太輔はなんの躊躇いもなくソレを頭に被った

｢(´ﾟ艸ﾟ)∴ﾌﾞｯ、おま、それピーチかよ！｣
｢似合いますか？｣
｢ギャハハ、マジウケる！｣

桃のカタチの被り物、そうだそうだ！他にもリンゴとかイチゴとか色々あったあった

黒い袈裟に可愛いピンクのピーチｗｗｗ
坊主にピーチ、しかも無自覚ドヤセクシー顔した藤ヶ谷太輔が、オレ的にめっちゃツボる

笑い転げるオレを、藤ヶ谷太輔は不思議そうな顔して見ていたけど

｢やっと笑ってくれましたね｣

と言って、また真っ白な笑顔を浮かべた

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