One Kiss！！

チャラくNIGHT？…１３ ページ14

｢…何も…無かった……｣
｢はい、至って特筆すべき事は何も…ご安心を！｣

よ、良かったァァ！《マチガイ》は無かったァァァ泣

｢だよな！あるわけねぇよな！な！…だーもぉ、あー良かった良かった…ハァ…｣
安心したらめっちゃ嬉しくなって、カラダクネクネして一人でほくそ笑んでしまう

｢…何も無かったのが、嬉しいんですね…｣
｢あ？｣
ポソリと呟くそのオトコの瞳に、なんとも言えないよく分からない想いを見たような気がした

｢は？あたりめぇだろ！あってたまるか、オレが好きなのはジョッシーだもん！てかさぁオマエ誰？｣

そうだよ！肝心なことなーんも聞いてねぇじゃん、コイツ何者？

｢これは名乗りが遅れましたね、私は《凛堂寺ーりんどうじ》で修行をしております《藤ヶ谷太輔》と申します｣

さっきとは違う…すげぇイイ笑顔浮かべて《藤ヶ谷太輔》はベッドの上に正座するとオレに流れるような動作で頭を下げた

｢あ、いやいやコチラこそ…｣って、つられてオレもコイツに頭下げちまう…けど、そうじゃないって！

｢いや藤ヶ谷太輔っち、だっけ、アンタさCLUB来た時からずっとオレのコト見てたよな？何で？｣
そう言うと、藤ヶ谷太輔は一瞬だけバツの悪そうな表情を浮かべたけど、スグに真顔に戻りオレを見つめた

｢お父上から聞いておられませんか？｣
｢何を？｣
｢修行の件です｣
｢…修行……？｣

はて…？
記憶を辿ると……おお、あのクソ親父なんかそんなコト…

《準備が整ったら…》

｢え、アレってマジっ？｣
｢マジ……あ、そうですね、本当です｣
｢で？｣
｢で…って、なので私がお迎えに参上しました｣

ニコッと笑う藤ヶ谷太輔
その裏も表もない笑顔は真っ白そのもので、妙にオレの目を惹き付けた

｢では、参りましょう！｣
｢ど、どこに？｣
｢ですから《凛堂寺》です｣
｢何でっ！｣
｢ですからアナタは今日から《凛堂寺》で修行されるのです、立派な後継者となられる為に！｣


…なんですと後継者？オレが？

ポカン顔のオレに藤ヶ谷太輔は首を傾げ、思案顔を見せた

｢お話の点と線が繋がってないようですね…後継者だったお兄様の宏哉さんが失踪されたのはご存知ですよね？｣
｢…うん｣
｢宏哉さんの行方は今も分からない、ですが仮に見つかったとしても、恐らく北山家には戻らないだろうというのがアナタのお父様の見解です｣
｢…うん｣

｢ならば北山の後継者は、宏光さんしかおられない、ココわかります？｣


分かんないんですけど…

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