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Serenade:23 ページ25

瞬きもせずオレを見つめ、透明な粒を瞳から溢れさせる…痛みすら感じさせるその姿、だけどその痛みを超えられなければ、ミツはきっとこの部屋から一歩も出られない…

手足を竦め、何も見ない…感じない…7年前と同じになっちまう…もう、そんなことさせられない
…あの時と今では決定的に違うコトがある

それは、《藤ヶ谷》そのものが存在してるという事実
そして、今でもミツを変わらず愛して求めているという真実だった

「強くなれミツ、オマエに何があったって藤ヶ谷は全部丸ごと…そのまんまのミツを愛してくれる、そんな藤ヶ谷だからオマエ、好きになったんだろ…?どんなに冷たい寒い日でも、あの駅でアイツが帰ってくるって信じて、待つことできたんだろ…?」

凍えた手に息を吐き掛けながら、最終電車が出ていくまで駅に佇んでいたミツをオレはいつも少し離れたトコから見ていた

人気の無くなったホーム…落胆の色を隠せず、項垂れて駅を後にするミツの切なさと寂しさを滲ませた頼りなげな姿…小さくなるその背中を見ながら、オレはやり切れなさでいっぱいになった…

もう、あんなミツ…二度と見たくない…

「オマエが信じたヤツの言葉だけを信じればいい…だからもう、振り返んな…」

オレの言葉を、目の前のミツがどんな想いで聞いているのかは分からない…

オレに出来ることは、ただただ…ミツに幸せになって欲しいと願うだけだった

「タマ……」


その時…玄関のチャイムが鳴った


ドアの外にいるヤツの焦りが分かるような、連打連打のそのチャイム…

ミツも何事か?と言う表情になる

…ったく、もう…


「マジこんな時間に近所メイワクだわ…クス…あ〜やっと来たか…」

チラッとミツに目配せして、オレは玄関に向かった

ドアチェーン外して、ロック解除…


待っていたかのように、ドアが開かれる
ソコにいたのは、いつものシュッとしたクールな雰囲気は一切無く、一途でひたむきな目をした《永遠の恋敵》がいた…

うん、この目なら…大丈夫かな…

「悪い…こんな時間に…」
「お迎えご苦労!、…後は任せる、コンビニ行くわ、コレ合鍵な!帰る時戸締りよろしく!」
「え、…ちょ…ッ」
「ついでにコレ、ミツに返しといて!」

投げたフリしてデニムの後ろポッケに入れたバングルを、藤ヶ谷に渡した

「…これ…?」


「意地悪してゴメンて伝えてくれ…でも心の拠り所は一つでいいと思う…藤ヶ谷、ミツに笑顔取り戻してやってくれ…オマエしかムリなんだ」

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GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» こんばんは!連コメありがとうございます!どうにかこうにか無理やりこじつけました!お目付け役の許可も出たので《姐さん》まっしぐらwもはや元ネタ要素はどこに…www宜しければ最後までお付き合い下さればと思います、コメ大感謝です! (2017年4月10日 23時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
pochi(プロフ) - |д・) 今さらですが…元ネタ知らないです(笑)なのでいつも通り新しいお話として楽しんでます(*´艸`)移行!!いっくらでもしちゃってください!!! (2017年4月10日 0時) (レス) id: 346d44f458 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» こんばんは!連コメありがとうございます!ネタバレ続いておりますwwでも話数に収まるかめっちゃ不安…残り4話、ヤバいかもです!あーどうしよ焦焦、移行になったらゴメンなさい、そしてつまんなかったらもっとゴメンなさいです!コメ大感謝です! (2017年4月9日 23時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
pochi(プロフ) - 連コメごめんなさい!Σ(゚∀゚ノ)ノこんなところで宏光の名前が…!まさか同じ世界世界の住人!?めっちゃ気になりますー!!! (2017年4月9日 18時) (レス) id: 346d44f458 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» こんにちは!コメありがとうございます!あは、どうにか《first end》まで辿り着けましたwwココからちょこっとだけ《姐さん》への道を追加します、final endまで宜しければ覗いて見て下さると嬉しいです!コメ大感謝です! (2017年4月9日 16時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2017年3月21日 16時

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