fuga：２２ ページ49
｢そう、覚えてないのね…｣
｢話してると、その部分の記憶だけが飛んでるみたいだ…｣
食事の後、それとなく今の宏光の記憶を探るために話をしてみた
あやふやな部分もあるけど、どうやら宏光には拉致られた以降の記憶がゴッソリ抜け落ちている様だった
《雅喜》と《太輔》が同一人物なのは、あの雨の日に確信したと言っていた、菜月とのイザコザについては後半がボンヤリと覚えているくらいだった…
｢防衛本能よね…｣
｢防衛本能…｣
ユリは頷くと、サーバーから二人分のコーヒを注ぎ一つをオレに渡してきた
｢ソレを記憶に留めると、自分が生きていけないから自己防衛本能が働いてその部分だけ無かったことにしてるんだと思う…それだけショッキングな出来事だってコトよね…当たり前だけど…｣
あの倉庫の中で何が起こったのか…客観的な想像は出来るけど、宏光の受けた心のキズの大きさ、深さは誰にも図れないことだった
自分で自分を守らなければ生きていけない…
それが宏光のあの日の記憶を遠ざけている原因なんだ…
｢それって、もう一切記憶として残ってないってことなのか？だったらその方が…｣
無かったことに出来るなら、それが一番いい
オレはそう思っていた
思い出す必要なんか、どこにもないんだから…
寧ろ忘れて欲しかった
｢いいえ、違うわ……｣
ユリは小さく首を振り、オレを見つめた
｢残念だけど、ソレは無い…ちゃんと北山くんの中に有ったことは全て刻まれてる…だから触れられるのを極端に怖がってるんだと思う…それがキッカケで、二度と思い出したくないコトが溢れ出てしまうのをどこかで知ってるから…今は防衛本能が必死であの日起こったことを封じ込めてるだけ…言い方は悪いけど、いつ暴発するか分からない爆弾を抱えてるようなモノ…としか言えない｣
医者らしく淡々と事実を述べてくるユリとソレをどうしても受け止められないオレ…
オレとユリの理解力には、相当の開きがあるように思えた
｢そんな…っ、そんなコトって…なんか方法はねぇのかよッ！二度と思い出さないための、なんか方法は無いのか？｣
｢無いわ…｣
｢ユリっ！｣
｢アナタが、どんなことをしても北山くんとの記憶を消せなかったのと同じことなの、太輔…｣
消せなかった…宏光との記憶…
消したくなかった日々
それと同じことが、宏光にも起こってる…
｢太輔、零になる記憶なんてどこにも存在しない…大切なのは、ソレを受け止めてそこから前に進むことなの…｣
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GAYASAKURA(プロフ) - すてぃ子さん» こんにちは！連コメありがとうございます！わぁ良かった、ホッとしました、えっと移行となりましたｗ《藤北劇場》が始まります、ハピエに向けて最後頑張ります、宜しければ最後までお付き合い下さればと思います！《絆》感じてくださるといいなぁ！コメ大感謝です！ (2017年3月21日 16時) (
レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» こんにちは！コメありがとうございます！はい、コレにてキスマイちゃん勢揃いとなりましたｗ途中まで玉ちゃんどっか行っちゃってて…結局移行となりましたが、ココからは《藤北劇場》となります、宜しければ続き覗いて見てくださいね！コメ大感謝です！ (2017年3月21日 16時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
すてぃ子(プロフ) - GAYASAKURAさん» 怒りだなんてとんでもない！いろいろある中でも２人が絆を深めていく所が大好きです！GAYASAKURAさんの作品は本当に引き込まれる作品ばかりです。藤北、頑張れー！！ (2017年3月21日 15時) (レス) id: d5161d2f40 (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃん(プロフ) - お玉さん登場。宏光くんの幼馴染みで病院長の息子でしたっけ？お玉さんも重要ですね。ここからが藤北の絆を結ぶ為の試練だと思いますが、大事な場面だと思います。最後まで頑張ってください。 (2017年3月21日 12時) (レス) id: 2a4d3f96ad (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - きょうさん» 切なさも《藤北あるある》なので、それも引っ括めて楽しんで頂ければと思います、有り得ない展開ですが、宜しくお願い致します！コメ大感謝です！ (2017年3月21日 10時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：GAYASAKURA
| 作成日時：2017年3月11日 15時
