fuga：１５ ページ42
真夜中にも関わらず、松永からの連絡でユリが病院に待機してくれていた
用意されていた特別室は、外部からは完全にシャットアウトされていて、病室に行く際も誰とも会わないように作られていた
診察中はオレですら入れてもらえなくて、ユリが出てくるまで、何一つ宏光の状況は分からなかった
｢遅いな…｣
付き添って入ってきた３人も、不安げな眼差しを開かないドアに向け、中の様子を伺うようにウロウロとその前を歩き回っていた
｢…オマエ達帰っていいぞ、オレがいるから｣
長時間の精神的負担を強いた二階堂を始め、かなりの長丁場を乗り切らせた部下達に、これ以上の負担をさせるのは忍びなくて、オレは三人に帰るように促した
｢…ヤです！ミツの様子が分かるまで、オレ帰るつもりないです｣
｢オレも｣
｢オレだって！｣
｢そうか…なら好きにしろ…｣
そう返事をすると、3人はオレに頷いてきた
長い…病室に入ってから一時間近く経ってる…
何か宏光の身に予想以上の事でも起きてるのか…
ペアの左手のバングルを撫でた時、病室の中に気配があり、ドアが開いた
｢ユリ…ッ、宏光は？｣
立ち上がり、出てきたユリに様子を尋ねる…
微かな笑みを浮かべ、ユリはオレ達を見渡しながら
｢…大丈夫、命に関わるようなコトは何も無いわ…｣
と言った
その答えに、３人は安堵の表情を浮かべたけど、オレには別の意味に聞こえた
《命だけは助かった…》
恐らくそう言うコトなんだろう…
ユリもオレの表情で、察しがついたようだった
｢太輔、後でいいから私の部屋に来なさい、話があるの…｣
｢分かった…｣
病室に入ると、点滴を打たれた宏光が昏昏と眠っていた…青白い顔、唇の端にキズがある…
倉庫では薄暗いのと、咲坂とのやり取りでそこまで宏光を見る余裕が無かったから気づかなかったけど、頬にも鬱血痕があった
きっと酷く殴られたんだろう…
そっと掛けてあるブランケットをめくると、肩や腕にも無数の擦り傷や青アザがある…
ある程度、キズの処置はしてくれているけど、細かなものは、そのままに隠さずに処置してあった
宏光が、必死にアイツらに抗う姿が目に見えるようだった
抵抗して抵抗して…そして……
｢……ッ、…ク…ｯｿ…ッ…｣
胸が締め付けるように苦しかった…
こんなにも大切な人なのに、オレは守ってやれなかった…
悔しさと申し訳なさと、溢れる程の愛しさ…握りしめた拳に水滴が落ちていく…
｢宏光…っ、すまない、…許してくれ…ッ｣
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GAYASAKURA(プロフ) - すてぃ子さん» こんにちは！連コメありがとうございます！わぁ良かった、ホッとしました、えっと移行となりましたｗ《藤北劇場》が始まります、ハピエに向けて最後頑張ります、宜しければ最後までお付き合い下さればと思います！《絆》感じてくださるといいなぁ！コメ大感謝です！ (2017年3月21日 16時) (
レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» こんにちは！コメありがとうございます！はい、コレにてキスマイちゃん勢揃いとなりましたｗ途中まで玉ちゃんどっか行っちゃってて…結局移行となりましたが、ココからは《藤北劇場》となります、宜しければ続き覗いて見てくださいね！コメ大感謝です！ (2017年3月21日 16時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
すてぃ子(プロフ) - GAYASAKURAさん» 怒りだなんてとんでもない！いろいろある中でも２人が絆を深めていく所が大好きです！GAYASAKURAさんの作品は本当に引き込まれる作品ばかりです。藤北、頑張れー！！ (2017年3月21日 15時) (レス) id: d5161d2f40 (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃん(プロフ) - お玉さん登場。宏光くんの幼馴染みで病院長の息子でしたっけ？お玉さんも重要ですね。ここからが藤北の絆を結ぶ為の試練だと思いますが、大事な場面だと思います。最後まで頑張ってください。 (2017年3月21日 12時) (レス) id: 2a4d3f96ad (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - きょうさん» 切なさも《藤北あるある》なので、それも引っ括めて楽しんで頂ければと思います、有り得ない展開ですが、宜しくお願い致します！コメ大感謝です！ (2017年3月21日 10時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：GAYASAKURA
| 作成日時：2017年3月11日 15時
