fuga：７ ページ34
｢太輔、やっと来たか…｣
｢遅くなってすまない、菜月は？｣
店の外でオレの到着を待っていた渉…店のドアには《CLOSE》の札が出ていた
｢こんな状況で店なんかやってらんねぇよ、佐倉は中だ、泣いて泣いて、やっとさっき落ち着いた…会えるか？｣
｢ああ、その為に来たんだ｣
ドアを開けると、カウンターに一人心細げに座ってる菜月がいた
｢菜月…｣
オレを見るなり、ポロポロとその目から涙を溢れさせた
｢…ゴメンなさい、ゴメンなさいッ！藤ヶ谷くん…許してっ｣
｢菜月、もう泣かなくていい…頼む、話を聞かせてくれ、咲坂とどこで知り合った？｣
｢…二階堂くんと話をした日…、私、雅喜と北山くんのコト許してあげてほしいって二階堂に言われて…悔しくて…っ、その時咲坂に会ったの…あなたと北山くんの…抱き合ってる写真見せられて、雅喜はウソついてるって…信じ込んで…｣
抱き合ってる…あの雨の日のことか…、オレを《太輔》だと確信した宏光が本当のコトを知ろうと、オレに会いに来た…
《無双》のヤツら、そんな頃からオレ達に狙いを付けてたのか…
｢…私ばかりが蔑ろにされてるって思い込んで…北山くんが憎らしかった…私から雅喜を奪い取って、私以上に愛されてる彼が羨ましかった…だけどソレは、全部間違ってた…《雅喜》は《藤ヶ谷くん》だった……藤ヶ谷くんだから、北山くんを見た瞬間、また好きになった…邪魔をしていたのは…私なの……もっと早く気付いてたら、こんなコトにならなかった、北山くん…最後まで必死に私を庇ってくれた…藤ヶ谷くんゴメンなさいっ、私を許して……北山くんを探して…ッッッ｣
顔を覆って激しく泣きじゃくる菜月の肩を抱き、オレはやり切れない想いで目を伏せた…
菜月を責めることなんか出来ない…
オレが、記憶が戻った段階で宏光に全てを告げていれば良かったんだ…菜月にもそのことを打ち明けていれば、少なくても咲坂に付け入られる様な状況は避けられた…
｢二階堂、松永から連絡は入らないか？｣
｢まだ…どこからも何も…入っていません｣
｢そうか…菜月ゴメンな、なにか咲坂に聞いたことないか、アイツらがたむろってる様な場所…何でもいい、覚えてることはない？｣
菜月の顔をのぞき込む…大きな瞳と目鼻立ちは、やっぱり今でも宏光に仄かに似ていた…
記憶なんか無くても、オレはいつも無意識に宏光を求めていた…
宏光だけが、オレの唯一…
そして《必然の人》
必ず助ける…っ
｢海……かも…｣
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GAYASAKURA(プロフ) - すてぃ子さん» こんにちは！連コメありがとうございます！わぁ良かった、ホッとしました、えっと移行となりましたｗ《藤北劇場》が始まります、ハピエに向けて最後頑張ります、宜しければ最後までお付き合い下さればと思います！《絆》感じてくださるといいなぁ！コメ大感謝です！ (2017年3月21日 16時) (
レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» こんにちは！コメありがとうございます！はい、コレにてキスマイちゃん勢揃いとなりましたｗ途中まで玉ちゃんどっか行っちゃってて…結局移行となりましたが、ココからは《藤北劇場》となります、宜しければ続き覗いて見てくださいね！コメ大感謝です！ (2017年3月21日 16時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
すてぃ子(プロフ) - GAYASAKURAさん» 怒りだなんてとんでもない！いろいろある中でも２人が絆を深めていく所が大好きです！GAYASAKURAさんの作品は本当に引き込まれる作品ばかりです。藤北、頑張れー！！ (2017年3月21日 15時) (レス) id: d5161d2f40 (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃん(プロフ) - お玉さん登場。宏光くんの幼馴染みで病院長の息子でしたっけ？お玉さんも重要ですね。ここからが藤北の絆を結ぶ為の試練だと思いますが、大事な場面だと思います。最後まで頑張ってください。 (2017年3月21日 12時) (レス) id: 2a4d3f96ad (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - きょうさん» 切なさも《藤北あるある》なので、それも引っ括めて楽しんで頂ければと思います、有り得ない展開ですが、宜しくお願い致します！コメ大感謝です！ (2017年3月21日 10時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：GAYASAKURA
| 作成日時：2017年3月11日 15時
