雪華 … Snow Crystal ５

RONDO：１９ ページ4

ユリは大丈夫なんだろうか…

気になりながらも会社に戻ると、松永の部下がオレを迎える


｢専務、お帰りなさい｣

出てきたのは、オレと殆ど年の違わない三人…

二階堂高嗣、千賀健永、コイツ…何つったっけ…あ、宮田俊哉だ

三人とも如月傘下の組の関係者…跡取りだったり
部屋住だったり、松永がどっかで拾ってきたのだったり…

この世界にいるクセに、三人は素直でスレてない、学力は？？レベルだけど気持ちの優しいいい子達だ…

オレのいる会社は、表向きは経営コンサルティング会社だけど、如月が所有してる店の統括部門を兼ねていた…売上金とかの回収や新規参入部門への準備とか…色々

松永は、いわゆる犯罪絡みの金儲けは心底嫌っていて、投資をメインに財を増やしていくことをメインにしていた

言うならインテリ系…名のある大学を卒業してるのは知っていた…頭のキレて全くスキが無い…

あの若さで如月の若頭だ…

だけど如月を取ろうとか全く思ってないらしい、現会長の父親は関西勢力からの奇襲の際に受けた傷が元で入退院を繰り返し、今は別荘で暮らしていた…跡目を僕に継がせたいらしいが、自分にはそんな気はサラサラ無い…

あのまま病気などならずにいたら、今もアメリカでのんびり暮らせてたんだろうか…と嘆かわしい気持ちが捨てきれない…

｢専務、どうかしたんですか？｣

いつもタイミング良くコーヒー入れて持ってきてくれる千賀と、コバンザメみたく、くっついてる二階堂…

｢いや、何でも…どして？｣

そしてなぜか呼んでないのに気付くといる宮田…

｢めっちゃ疲れた顔してますし、そんな時にはコレを見るといいです！｣

リモコン操作で専務室のテレビに映るのは…


｢ヤベェって宮田、専務ドン引きしてるって…｣


ドン引きって言うか…そもそも何だコレは？

｢ね、楽しいですよね！｣
｢オマエだけだよ楽しいのは！｣
｢専務顔引きつってんじゃねぇかよっ！｣

三人三様のリアクション…

そして４人目のオレは…目の前のアニメについていけない自分を感じていた、…えっと、…バンド演奏してる女子高生のアニメ…なのか？

宮田ノリノリで踊り狂ってるけど…


｢…宮田…、も、もういいよ、なんかさ…変な元気もらいそうだから、サンキューな…て言うか、専務室にどうしてオマエの私物が置いてあるんだ？｣

｢はい！、専務のお部屋のテレビが一番上大きくて音がいいので、時々いらっしゃらない時などお借りしております！｣


はあ…なるほど……

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