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RONDO:17 ページ2

ノックも無しに不躾にドアが開く

ユリと僕が入ってきた人物に目を向けると、その男は不愉快を隠そうともせず、眉根を寄せキツい眼差しをぶつけて来た

「雅坊、こちらで何をなさっておられます?」
「少し体調が悪いらしくて私に見てもらいに来ただけよ、雅喜…体調は万全よ、ほら早く帰りなさい」

「ユリ…」

多分、松永に泣き顔を見られたくないんだろう

ユリはオレ達に背を向け、理事室の奥に設えてる化粧室に入っていった

ユリに視線を送った松永が、また僕に目を向ける、どこまでも見透すような黒い切れ長の目は、この男のブレない冷酷さを見せつけてきた

「あの女に何を聞いておられました?」
「別に…?」
「…フン…雅坊、大切なヒトが目の前で泣いているのを黙って見てるほど、私は冷たい人間ではありませんよ」
「は、どの口が言ってる?ユリを好き勝手に扱ってるクセにふざけるな!」
「クス…酷い言われようですね…生憎ソレは合意の上です、…まぁウブなアナタには男と女の微妙な駆け引きは分からないとは思いますが…」

その小バカにした様な物言いに、カッとカラダの熱が逆上する、平然と僕の視線を受け流す松永の胸倉を掴み上げ、少しだけ高い目線にあるその目を睨み付けた

「ユリはオマエの所有物じゃないッ!」
「雅喜なにしてるのっ!やめなさいッ!」

声を聞きつけたのか慌てたように戻ってきたユリは、さっきまで着ていた白衣を脱ぎ、黒のレースのワンピースを身に付けていた

横合いから松永の胸倉を掴んだままの僕の手をそっと外させ、軽く押す様に距離を持たせると、僕の頬に右手を添えると緩く微笑んだ

メイクを直したのか、艶のあるリップがキレイなユリによく似合っていた

「私なら大丈夫よ、ありがと…もう帰りなさい」
「ユリ…」
「…雅喜、アナタはそのままでいいのよ、自分が感じた通り…それでいいから…」

ユリの言わんとすることがよく分からなくて、僕はその顔を見つめた、ユリは頷くように一度目を伏せ、オレの腕を取るとドアに促し

「じゃあね、気をつけて…」
と言って、ドアの外へ僕を出した

出際にみた松永は、オレ達に背を向け壁一面の窓ガラスに持たれるように立ち、外を見ていた
その表情は分からない…

「松永、…これ以上ユリを傷つけたら、僕は絶対オマエを許さない」

僕の声にピクリと肩が反応し、僅かに顔を動かした松永…


チラリと見えたその横顔には、いつに無く疲れの色が見えた様な気がした

RONDO:18→←GAYASAKURAです。。



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GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» と思っております!予定通り移行になりました!宜しければ続き覗いてみて下さればと思います!コメ大感謝です! (2017年3月11日 16時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» こんにちは!いつもコメありがとうございます!はい、かなり無理やり感ありますが、戻しちゃいましたw、ユリ姉さんのネタバレからまた色々ハプニングが起こります、元カノがちょっと…でも主要人物は《みんないい子だよ!》がテッパンなので、なんとかなるのでは (2017年3月11日 16時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - keiさん» ホントにゴメンなさい!ココから辻褄合わせのネタバレ展開になりますw、そしてそして元カノが何やら…宜しければ続き覗いてみて下さいね!コメ大感謝です! (2017年3月11日 16時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - keiさん» こんにちは!こちらこそ初めまして!ウチの藤北ちゃん気に入って下さってホントに嬉しいです、ありがとうございます!はい、ちょっとアッサリ記憶戻しすぎたかなぁと思っていますが、こうでもしないと次の展開に行けないのでもしか《??》になられてたら (2017年3月11日 16時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃん(プロフ) - こんにちは。太輔君の記憶が戻りましたね。事故の真相や、菜月さんとの事等 解決しなければいけない事が多いので、大変だと思いますが ハピエになるために必要ですし、これからどうなっていくのか楽しみです。 (2017年3月11日 14時) (レス) id: 2a4d3f96ad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2017年2月25日 13時

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