I wish to be your only one … Re:turn ２

Re:９６ END ページ50

｢久々だな、そのパズル｣

特にすることも無くて２人それぞれ時間を過ごしリビングに戻ってきた時、宏光がテーブルにパズルを広げていた

｢うん、なんか懐かしくてさ…｣

葉山くんの手作りの木製パズル…

完成すれば天使の羽が現れるんだけど、なぜだか最初からパーツが一つ無い…形はハート型…



持って帰ってきた日…
｢璃久ってば箱にしまう時落っことしたのかなぁ…｣って、最初に作った時宏光は首を傾げていた…

葉山くんから、パズルの話を聞いていたオレは
｢ソレが完成形だと思うよ…｣って伝えたけど、ひろにはその意味が分からないようだった

｢何で？パーツ無いのに？｣

益々わかんないって表情してくるから、オレもどうしようかと思ったけど、イキナリのネタバレもなぁ…てヒントを出してみた

｢…そうだな、…アイツには、最後のパーツは絶対存在しないことが分かってんだろ…ひろにはソレがなにか分からない？｣

って…

葉山くんがパズルに込めたメッセージ…

｢あ…｣
ふと、思い浮かんだ…
｢…わかった？｣
｢オレの……心…｣

そう呟く宏光の瞳が、少しだけ揺れていた

｢…そうだな…永遠に完成しない恋…ソレが分かってるから、葉山くんはこのパーツを敢えて入れなかったんだろ…｣

渉の店でメシ食った帰り、葉山くんはオレにこう言った

｢チーフを知る度に《好き》の想いが繋がっていくんです…パズルみたいにその一つ一つがどこまでも繋がって…だけどソレは永遠に完成しません…最後のピースは絶対に見つからない…｣
｢最後のピース…ソレって、宏光からの気持ち？｣
｢そうです…だからオレの恋は、永遠に片想いです…そして終わりの無い恋なんです…｣


切ない想いをオレに告げてくる…不思議とオレの中に戸惑いも困惑も湧かなかった…この子の純粋で素直な気持ちが、オレに大切なコトを教えてくれたような気がした



｢今年も、幸せでいような…｣

そっと背中から抱きしめた…何年経ってもこの愛おしさは変わらない…振り向いてオレを見つめる瞳も、その可愛い笑顔も…

｢太輔がいてくれたら、オレはいつだって幸せだ…太輔を好きになって、ホントに良かった｣


オレだってそうだ…オマエのその笑顔がオレを幸福感でいっぱいにする…



オレ達の果てない夢へのパズル…

最後のピースは一緒に埋めような…



たった一つの…大切な想い…








永遠(とわ)にいつまでも……────









I wish to be your only one …Re:turn

END♥

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