Re:５７ ページ9
｢分かってます…チーフが辛そうなの見てられなくて、つい…本心ではありません…｣
｢…そうか、…なら失礼した、ありがとう｣
所長は全部分かってるんだと思う…労わる様な表情でオレを見つめていた、
｢葉山くん、…テーブルの上の本、取ってくれないか？｣
｢あ、はい…どうぞ｣
何気なく取った雑誌のページ…そこに書いてある名前にオレは目を見張った
｢オヤジ…｣
何のマネかと所長に目を向けると、所長は小さく頷き、そのページをオレに向けてきた
｢やめて下さい！、そんなもの、二度と見たくありません｣
｢このオペラハウス…葉山氏がフランスの職人とチームを組んで設計した建物だ、フランスに数あるオペラハウス中でも群を抜いて美しく壮麗な雰囲気を持つと高い評価を受けている｣
｢そのオペラハウス建設の為に、アイツは母さんの死に際にも会いに来なかった…ソレの何が美しいんですか？、オレにはそのオペラハウスはアイツの自己満足の固まりにしか見えません、不愉快です｣
部屋を出ていこうとしたオレの腕を、所長が掴んだ
｢離してくださいッ！｣
｢葉山くん、君のお母さんの名前は？｣
振りほどこうとした時、所長は意味不明な質問をしてきた
｢は？何です？イキナリ……名前、…ユリですけど…｣
｢そのオペラハウスのシート…背もたれ全てに刺繍が施されてるんだ、よく見てごらん…何の刺繍が入ってる？｣
雑誌の特集ページを差し出され、オレは仕方なく手に取った、シートの…刺繍…って…
｢……ッ！？……ユリの、花…？｣
｢そうだ、そして舞台中央床の寄せ木細工のモザイク…見てみなさい｣
｢…ッ、コレも…ユリだ……なんで…？｣
｢君は葉山氏とお母さんの出会いを知っているか？｣
｢いえ、詳しいことは、…同じ芸大にいたのは知ってますけど…｣
｢そうだね、キミのお母さんはオペラ歌手志望の声楽家の学生で葉山氏は建築学科だった、聞いたことは？｣
｢ありません…母さん、声楽やってたんですか？｣
｢そうだよ、とても透明感のある美しい声をしていた…だけど声帯を壊してね…オペラ歌手への道は諦めなければならなかった、とても落胆していてね、そんな彼女を支えてたのが葉山氏だ…特に何を言うのでも無いが、いつも寄り添うように隣にいたよ…葉山氏の存在でキミのお母さんはまた前のように明るくキレイな声で笑うようになった…葉山氏はあの頃よく《ユリの笑顔が好きだ》と言っていた…｣
ソレは、オレが初めて知る両親の姿だった…
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GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» 何かソレに絡んだお話upしたいと思います！宜しければまた他作にも遊びに来てくださいね！コメ大感謝です！ (2017年2月24日 20時) (
レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» こんばんは！コメありがとうございます！璃久の運命の人、どこにいるのでしょうｗ太輔ダンナが唯一恋敵と認めたので、まあまあいいヤツだと思いますｗｗ今は北海道で野外舞台を作ってる設定なんですｗそう言えばホワイトデー間もなくですねｗ《雪華》がオールupしたら (2017年2月24日 20時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - 充瑠さん» お話をお届け出来ればと思っております！宜しければ、また他作も覗いて見てくださいね！コメ大感謝です！ (2017年2月24日 20時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - 充瑠さん» こんばんは！コメありがとうございます！はい、何とか…無理くり終わらせましたｗ呆気ないわァとポチりながら思ってしまいましたが、ちょこっとでも楽しんでくださってれば嬉しいです、反省点抱えてのupとなりました、またこの夫婦にオファー依頼があればちゃんとした (2017年2月24日 20時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃん(プロフ) - 終わってしまいましたね。 葉山くんが運命の人に逢えたら良かったのですが、 ホワイトデーもあるので、ちょっと期待はしてますが。(｡-_-｡) (2017年2月24日 14時) (レス) id: 2a4d3f96ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：GAYASAKURA
| 作成日時：2017年2月12日 13時
