I wish to be your only one … Re:turn ２

Re:５５ ページ7

｢太輔……？｣

｢そんなにツライなら辞めればいいだろ、なんもかんも放り出して、全部捨ててオレだけのために毎日生きろよ！……それがホントにオマエの望む生き方なら、もうオレは止めないよ…ひろ…｣

そっと頬に手を添えて、オレの涙…指で拭いながら太輔はフワリと笑った
オレが一番好きな、心から安心出来る太輔の優しい笑顔…

｢…オマエ、オレがアメリカに全部大事なもの置いて帰ってきたって言ったけど、お前より大事なものなんかオレには無いよ…オマエの傍で、オマエが毎日笑ってるの見たいから帰ってきたんだ…ホントだよ｣

｢たい、すけ…｣

｢オレが好きなのは家事も仕事もカンペキに出来る宏光じゃない、…迷っても悩んでもいいから、毎日ちゃんと生きてる宏光…お前がお前らしく毎日過ごしてくれたら、オレは何も望まない…疲れたら休め、出来なかったらオレに言えよ…言ったろ？オレ達は二人で一つ…何でも半分こしよって……オレには隠さなくていい…｣

｢…また、クシャクシャの…シャツ着せるかも知んないぞ…いいのかよ…｣
｢いいよ、てかソコめっちゃ拘るな、何で？｣
｢…だってオレ、スーツ来てる太輔…スゲェ好きだから…誰よりもカッコイイて……いつも嬉しくなる…｣

って言ったら、ブッて太輔が吹き出した

｢あーなるほど、だからか…ならオレもアイロン掛け覚えるわ！だったら問題ないだろ！？｣
｢無い…けど…｣
｢ひろがずっとオレのコトカッコイイって思ってくれる様に、オレアイロン掛け頑張るよ！｣
｢…ソレ違うくね？｣
｢え、そう？｣

…て、キョトンてしてる太輔、堪らなく愛しくてオレは太輔の首に両腕を巻き付け抱きついた

何一つ変わらない温もり…香水の香り…
オレだけの太輔……

｢…ゴメン…ゴメンな太輔…いっつも困らせてゴメン…｣
｢全然いいよ、泣いてる顔…全然変わんねぇな…可愛くてオレのツボ♥｣

そう言っておデコに唇くっ付けてくれる

そしてギュッて…してくれる…
太輔の胸の中は優しくて強くて…安心する…


太輔がいたら、出来なかったことも出来そうな気がするんだ…

｢落ち着いた…？｣
｢うん…｣

｢なら今日はさ、オレとこのまま帰ろ、お義父さんの許可ももらったし、なんか食って帰ろう｣
｢え、父さん…帰っていいって言ったの？｣
｢そ、たまにはさ《でぇと》しよ！ヨメさん｣
｢んじゃ今日は、…ヨメでいい…｣
｢プッ、よし、じゃ行くか｣

ドアを開けると、葉山がいた…



｢葉山…心配掛けてゴメンな…｣

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