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28話 ページ30

昼休みの学食は、空腹に耐えかねたハイエナ達のごった返しが常だ…

空いてる席は、我先にと取り合いになる

けど、今日に限ってその中で、どうしたって誰も入って行けない異空間があった

藤ヶ谷と佐倉さんが、学食のド真ん中のテーブルで向かい合って昼メシ食っていた

学食テーブル一つに椅子は6脚…ウチは在籍数も多いからかなり広い、それでもこの時間は常に満席で、なのにそのテーブルだけは藤ヶ谷と佐倉さん2人だけしか存在してない
まるで、誰かに見せつけてるような雰囲気だった

二人はそんなに話はしないけど、時々目線合わせて微かに微笑み合う様な表情が見える

なんて言うか…お似合い過ぎてため息ついてる女子もいて、誰もが完全にこの2人はカレカノなんだと認識したみたいだった

「藤ヶ谷も堂々と良くやるよ…」

タマが、チラリとその方向を見ながらパスタを口に入れた

「ん、でも…お似合い…だよな…」
自分に言い聞かせる様に、オレはそう呟き日替わり定食の唐揚げを噛み砕いた…なんか今日、いつもの味しないな…て思いながら

「ホントにそう思ってんの?」

敢えて…なのか、タマがパスタに目を落としたまま聞いてきた

「…誰が見てもそうだろ」

時々タマは、こんな聞き方をしてくる…何かを探ってるようないい方…オレの戸惑いを、何かに変えようとしてるのか…

「ふーん…、ね、唐揚げ1個くれる?パスタお裾分けするから」
「うん、いいよ!」

箸で摘んでタマの皿に乗せようとしたら、アーンて口開けてきた

「え?」
「食べさせてよ、はい!アーン」
「う、うん…」

タマ、何がしたいんだろ…不思議に思いながら自分の箸でタマの口に唐揚げ入れてやった

パクって箸ごと咥えられる

「フフ、間接キスだね、じゃお返し!ミツにパスタあげる」
フォークに多めに巻かれたパスタが口許に運ばれる
ちょっとドギマギしてると、少し強めに唇にパスタくっつけられた

「ほら、アーンして!」

「あ、あのさタマ…オレお腹いっぱいだし…」
「まだ定食残ってるよ、さっき食べるって言ったじゃんか、ホラ食べて!」
「え、でも…」
「どしたの?…オレと間接キスになんのがヤなの?」
「そうじゃなくて…」

なんか今日のタマ変だ…ちょっとコワい…
やっぱ食べた方がいいのかな…

躊躇って少しだけ口を開けた時、横合いからフォークが遠ざけられた



「やめろよ、嫌がってんだろ」

いきなり声がして、その方に顔を向けるとイラついた表情した藤ヶ谷が立っていた

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GAYASAKURA(プロフ) - daimommさん» 宜しければ最後まで見守って頂ければ嬉しいです!コメ大感謝です! (2018年4月9日 23時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - daimommさん» こんばんは!コメ有りのお知らせが来て、ビックリしましたーw再読ありがとうございます!なんか恥ずかしいw、設定がブレまくってるので、その辺は大目に見て下されば有難いですw恋蕾は、vol.5に入ることが決定でございます、相変わらず無駄エピ増えてますが (2018年4月9日 23時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
daimomm(プロフ) - こんにちは!恋蕾で胸がざわざわして落ち着かないので、二人の原点を再訪しました。二人の絆を再確認して、恋蕾で来るであろう衝撃(?)に備えようと思います!恋蕾がUpされるまでに読みきれるかな・・ (2018年4月9日 17時) (レス) id: 4014bb6c4e (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - さらさん» こんばんは!コメありがとうございます!藤北、どうにか仲直り?出来そうな予感w勘違い過ぎるみっくんに、太ちゃんどうやって気持ち伝えさせようか思案中です、ユルユル更新となっておりますが、どうぞ宜しくお願い致します!コメ大感謝です! (2016年12月3日 18時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
さら - ピュアな北山くんにキュンとします!でも違うよ、なんでそうなった!?って突っ込みたいくらいのすれ違い(困)辻褄が綺麗にあってしまう見事なすれ違い、というか勘違いに藤北ぁーーーってなってます。作者さんが大切にこのお話を進めているのを感じ、応援しています (2016年12月3日 12時) (レス) id: 711613c946 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2016年11月13日 22時

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