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12話 ページ13

足元のスクバを膝に乗っけて、オレの座るスペースを作ってくれる

「ありがと…」
返事は無いけど、少しだけオレの方に気を向けてくれたのが分かる

そのまま隣で前向いて座ってると、フワリといい香りがした…藤ヶ谷からだ…

少し甘めの優しい香り…


相変わらず目線は外に向いてるし、いつものオーラも出まくってるけど、その優しい香りは、藤ヶ谷のあの日のもう一つの姿をオレに見せてくれてるように思えた

なんか…いいな…

いい香りに包まれて…隣にその人がいてくれて……程よいバスの揺れ具合が何とも……



フワァ…なんか眠……



…────……────────…



「…やま、…きろって…」

…ん……ゆさゆさ……ナニ……眠ぃんだけど…


「…ンア……え…」
「おま、起きろって!終点!!」

「…ン…しゅ…てん?……っ!、しゅうてんんんん?」


ボケた頭にその一言はけっこうなディープインパクト!


周りを見渡すと、オレと藤ヶ谷以外誰もいない…

「ウッソ…」
「降りっぞ…ったく、お前といるとろくなコトねぇし…あの、このバスって、このまま折り返しますか?」

「兄ちゃん達悪いね、このバス、また違う路線に向かうから、元に戻るのは二時間後のバスだよ、そこのバス停に来るから、それまで時間潰してなよ」

「あ、そうですか…」
「二時間後…って…」


サーって血の気が引く…ウソだろ…既に乗ってから二時間近く経ってますけど…学校着いたら昼ですけど…


「とりあえず降りてくれる?」

人の良さそうな運転手さんの笑顔に逆らうわけもいかず、藤ヶ谷とオレはバスを降りた

雨足は朝より弱まっていた…

バス停には幸いなコトに待合があって、雨風は凌げるみたい

先を行く藤ヶ谷の後ろをゲンナリしながら付いてくオレ…

ヤバい……ぜってぇヤバい……またやっちまった…


恐ろしくて藤ヶ谷に声かけらんないんだけど…


待合も誰もいない…大体ココってドコ?

ひーんッッ!(><)


ドスッとスクバを椅子に置く音がして、盛大なため息が聞こえた

「…お前さ…バス乗ってソッコー寝るとか子供かッ!?」
「ご、ゴメン…え、でも起こしてくれて良かったんだけど…」

そもそもソコだよな!起こせばいいじゃん!着いたよって起こしてくれたってッッ!

「てめぇがオレの肩に寄っかかって気持ちよさそうに寝てっからだろっ!《もらい寝》しちまったんだよッッ!」


ん?顔赤い…

《もらい寝》…なんだそりゃ?


……あ、つまり藤ヶ谷も寝ちゃったのか

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GAYASAKURA(プロフ) - daimommさん» 宜しければ最後まで見守って頂ければ嬉しいです!コメ大感謝です! (2018年4月9日 23時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - daimommさん» こんばんは!コメ有りのお知らせが来て、ビックリしましたーw再読ありがとうございます!なんか恥ずかしいw、設定がブレまくってるので、その辺は大目に見て下されば有難いですw恋蕾は、vol.5に入ることが決定でございます、相変わらず無駄エピ増えてますが (2018年4月9日 23時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
daimomm(プロフ) - こんにちは!恋蕾で胸がざわざわして落ち着かないので、二人の原点を再訪しました。二人の絆を再確認して、恋蕾で来るであろう衝撃(?)に備えようと思います!恋蕾がUpされるまでに読みきれるかな・・ (2018年4月9日 17時) (レス) id: 4014bb6c4e (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - さらさん» こんばんは!コメありがとうございます!藤北、どうにか仲直り?出来そうな予感w勘違い過ぎるみっくんに、太ちゃんどうやって気持ち伝えさせようか思案中です、ユルユル更新となっておりますが、どうぞ宜しくお願い致します!コメ大感謝です! (2016年12月3日 18時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
さら - ピュアな北山くんにキュンとします!でも違うよ、なんでそうなった!?って突っ込みたいくらいのすれ違い(困)辻褄が綺麗にあってしまう見事なすれ違い、というか勘違いに藤北ぁーーーってなってます。作者さんが大切にこのお話を進めているのを感じ、応援しています (2016年12月3日 12時) (レス) id: 711613c946 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2016年11月13日 22時

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