雪華 … Snow Crystal

２１話 ページ22

｢じゃ、体育祭の出場種目はコレで決定な！それぞれ忘れんなよ！｣

｢ほーい！｣

今日のホームルームは、体育祭の準備と種目決め、ウチは３年生は受験があるからリレーくらいしか参加はしない、

その代わり１年２年は、ほぼ全員フル出場！

球技種目と陸上種目！どっちか一つは必須！後は希望！自分の部活には出ないのが原則

今年の実行委員長はタマ、横尾さんに頼まれて渋々受けてたけど、タマはやる時はやるから見てて安心だよな

オレは球技はバスケ、陸上はハードル

藤ヶ谷は…やっぱバスケ…だけか、ふーん…


タマから妙な画像アップされたんだから、あまり藤ヶ谷に近づくなって言われて、あの日以来
オレは、藤ヶ谷とほとんど話をしていなかった

藤ヶ谷も話しかけてこない…横尾さんとは楽しそうに話してるけど、たまにオレと目が合うとすぐ逸らされる……怒ってるよな、オレのせいであんな画像撮られたから、イヤなんだよな…きっと……

バスケ…楽しかったのに…


｢ミツ？｣

｢……っ、ん、ナニ？｣

目の前にいるのはタマ…複雑な表情が浮かべてる

｢藤ヶ谷と同じだね、バスケ｣
｢あ、…うん｣
｢嬉しい？｣
｢嬉…しい…？｣

タマの言わんとしてることが、オレにはよく分からない…何が言いたいんだろ…

｢どゆこと？｣
｢まんま、言葉通りだけど｣
｢…えと……｣

この場合の正解はyesなのかnoなのか…

藤ヶ谷を余り好んでいないタマからすれば、オレにはnoと言ってほしいんだろうけど…でも…

口ごもるオレを見て、タマは目元を微かに歪めると

｢オレ、実行委員会あるから！今日は先に帰りな｣って、教室を出て行った

あまり見ることのない、タマの不快感を顕にした表情…コッチはコッチでオレを落ち込ませていた…


コレが尾を引いて、今日の動きはボロッボロ…せっかくテスト終わって部活復活したのに…

ため息つきながら着替えて部室を出て校門に向かう途中…体育館の裏手に人影が見えた


…あんなトコ…誰だ？


チラリと見えた後ろ姿が、なんだか藤ヶ谷に似てる気がして、気になったオレはコソッと近づいて行った


藤ヶ谷と…もう一人…？

覗き見なんて良くないって思ったけど、もう1人が短めの制服スカートだったコトで、オレは頭の中が一気に熱くなった


…え、藤ヶ谷…コクられてんの…？


けど、オレが見たのはコクられてる場面じゃなかった…



オレが見たのは…



藤ヶ谷の首に回された腕と、




重なる･･･唇･･･───────

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