You are my everything ー キミ色の日々・３

COLOR １３５ ページ42

｢カウンセリング、受けるのか？｣

少しだけ驚いたようなトモの表情…

｢…仲間とも相談して、それがいいだろってなって、ヒロにはご両親がいないから、オレ達仲間６人が、家族みたいなもんなんだよ…心のケアをしてくれるスゴくいいセンセーがいたから、その人のトコに通うことになると思う｣

｢心の…ケア…｣

｢そう、前にサーキットで倒れた時に診てくれたセンセーがその方面ではめちゃ有名な人で、ヒロの状態話したら、一度カウンセリングに来てくださいって言ってくれて……トモ？｣


何か考え込んでるようなトモの表情、…オレの話を聞きながらも、心はどこか違うトコに向かってるのが見て取れる

｢…あ、いや、そんなコトあったなんて知らなくて…そか、いいセンセーがいたなら良かったな
、そのセンセー、名前なんて言う人なんだ？｣


｢ん？葛西…葛西 蒼一郎(かさい そういちろう )って人、相澤総合病院の精神科医だよ｣

｢葛西…｣

トモの思い巡らすような表情と呟きに、ふと疑問符が浮かぶ

｢…知ってるのか？｣

｢まさか、いや、…倒れた時に診てくれた人が、そんな人だったならホントに良かったなと思って、イイ方向に向かうといいな｣

ホッとする様な、優しい笑顔がトモの顔に浮かぶ

やっぱりトモは、拓哉さんと同じくらいオレの信頼出来る先輩なんだよな

｢うん、魘されてる時はホントに苦しそうで見てらんない…少しでも改善できればヒロも落ち着いて暮らしてけると思うから…｣

｢そだな…大切な人が苦しんでるのを見るのは……辛いよな…｣


まるで、自分にもそんなコトがあったかのように、トモはポツリと呟いた

寂しげな…何かを見ているようなトモの瞳…聞いてはいけない何かがソコに存在してると、否応なく分かってしまう…


｢アイツには笑ってて欲しい…仲間とよく話すんだ、例えヒロ本人は光っていう存在を知らなくても、ヒロの笑顔が《光》そのモノで、オレ達７人の《絆の要》だよな…って、…無くしたくないんだ、そのどれも…｣



黙ってオレの話を聞いていたトモが、重い口を開いた…


｢…太輔…かけがえの無い《光》を失う時…失いかけた時……ヒトは一体、どうなるんだろうな｣


｢…え？｣

｢オマエはどう思う…生きる糧のような《光》を失った時、ソコには…なにがある…？｣


オレはトモの言わんとしてることがよく分からない…


見つめるオレに、柔らかくフッと笑いかけ、トモは言った







｢それはな…《終わりの始まり》だ…｣

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