You are my everything ー キミ色の日々・３

COLOR １１６ ページ22

…ベッドに寝転んだオレは、いつも同じ位置に置いてる、枕元のケータイを手に取った…



昼間、1人で曲作りしてる時に鳴った着信音…


機械音声が読み上げた名前に、カラダが固まった…

また、太輔に何かあったのか？

不安がオレを襲う…タップして耳に当てると、覚えたての声が聞こえた



｢…ヒロミツ？オレ、わかる？｣

この前とは違って、思ったよりその声は明るい…少し息を吐いて、オレは心を落ち着けた…


｢…ん、…トモ…でしょ｣

｢うん、そう…今、何してた？話しててもいいの？｣


明るさに、温かみが加わった優しい声…

その雰囲気に飲まれたように、オレは僅かに警戒心を解いた…


｢…いいよ、…今日は何？｣

｢ああ、いい知らせ…かな、多分…｣

｢いい知らせ…？｣


ソレは誰にとっての…なんだろう

ふと、そんな疑問が心を過ぎる…


｢太輔な、次のレースにウチのトップライダーとして出場することになったんだ、さっき決まった…そか、まだ太輔から連絡行ってないんだ…｣

意外だな…と付け足したようなトモの小さな声が耳に届く…


｢…トップライダー…？｣


｢そう、オレを差し置いてね、…次の大会は、前回のと違って日本のレーシングチームがこぞって名乗りを上げてくる大会だ…優勝すれば海外からの参戦オファーや、海外のレーシングチームからの引き抜きの可能性もある…太輔には大きなチャンスが巡ってきたと思うよ｣


｢海外…？｣


｢もしそうなったら…ヒロミツは嬉しい？｣


…海外…太輔が日本を離れてしまうってこと…

そしたら、もうオレとは…

｢ｸｽ…即答出来ないってコトは、ヒロミツには余り喜ばしいニュースではないってことか…太輔もかわいそうだな…せっかく頑張ってんのに…｣


｢そんなコト無いよ…っ、太輔の夢が叶うなら、オレは…喜んで応援するよ…｣


｢そか、なら良かった…ただ今回は監督独断の決定だからさ…太輔、四面楚歌の中で出るようになると思う…これからメンタルの部分で大変になるから、ケガとか気をつけて欲しいんだけどね……｣


何かを含んだような物言いに、オレはケータイ
を握りしめ、トモに問いかけた

｢四面楚歌って…どうして？太輔、誰も味方がいないってこと？｣


ソレに返された言葉は、予想していなかったモノだった


｢…今から出てこない？、オレすぐ近くに来てるから…オレがヒロミツの家に入んのは、カレシが許さないでしょ…｣


有無を言わさないその言葉に、オレは家から出た

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