l wish to be your only one …エピ４

ヒカル…１ ページ2

休暇を取って、久し振りに太輔の待つアメリカへ行った


家に着くなり、太輔はオレをソファに座るよう促した…


だけど、いつものやさしい笑顔はソコに無くて…代わりにあるのは、深く沈みきった瞳と、
なにか言いたげな口許…


なんだ、この雰囲気……

会わなかったこの数ヵ月に、太輔に何があったんだ……オレたちは今、どこに向かってるんだ……？


オレの胸に恐怖にも似た不安が広がっていく…



「ひろ、大事な話があるんだ…」


形のいい唇をキュッと結んで、太輔は思い詰めたような表情で、オレを見つめてきた

「…なんだよ、そんな切羽詰まった顔して…」

押し潰されそうな、重苦しい雰囲気を少しでも変えようと、オレは少し広角を上げてみせた

だけど、太輔の表情は変わらない……

それどころか、益々苦しそうな顔になっていく……


豪華な部屋に相応しい、革張りの大きなソファに座り、膝に乗せた手を握りしめ、考え込むようにまた少し俯いていた太輔……


やがて決心したのか、顔を上げ、オレの目を真っ直ぐに捉えて、口を開いた……


「…ゴメンな、ひろ……オレやっぱ、子どもが欲しい…自分の血を引いた子ども、育ててみたいんだ…」



…ソレは、ある意味太輔からオレへの最後通告だった


「は、子ども……って…？」


「オマエは、子どもが産めないだろ…、このまま一緒にいても…意味がないと思うんだ…」


意味がない…意味がないって……


その言葉だけが、オレの頭の中を占領し、全身の血がスウッと抜けていくような脱力感に襲われた……


「…オレと…終わりにしたいって…コト？」

声が震える…

どうしよう……息が出来ない……



「…ゴメン……」



嘘だろ……太輔……？

なんでそんなコト、いきなり言うんだよ……っ


ずっと一緒にいようって、言ったじゃねぇか…



何があっても、どんな時でも……オレらは、繋がってるって言ったの、オマエじゃなかったのかよ…っっ



太輔……ヤだ……イヤだよ……



オマエしかいないのに……



オマエだけが…オレの光なのに……



「太輔ッ！」





「………様…お客様！……北山さま……っ！」

「……ッッ！？」


誰かにカラダを揺さぶられ、オレは目を覚ました……

急な覚醒に、意識が付いていかない……

「…ハァ…ハァ……え、ナニ？オレ……」


「…いかが致しましたか？かなり、お疲れの様ですが、何かお飲み物でもお持ちいたしましょうか？」



…ソコにいたのは、ＣＡの女性だった…

ヒカル…２→←GAYASAKURAです。。お詫びと大反省とお知らせ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す